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日が陰ると垂直、陽光が挿すと水平になる観葉植物




HP編集略号anchan1.htm

和名:チョウマメ(蝶豆)

英語名:Butterfly pea  タイ名: アンチャーン
改編:2014年5月29日  初稿:2008年6月10日 撮影:バンコク


 日本在住時代に全く興味を覚えなかったことで、タイに移住してから、興味を抱くようになったことが幾つ

かあります。例えば、タイの彼方此方で咲き乱れている花を愛でることもその一つでしょう。


 今までも、印象に残った花について、BLOGで書いてまいりましたが、今回の花は、日本在住時代にも

も見たことがあるのですが、どうしてもその名前を想い出せなかった花です。


 日本を出て20年近くにもなりますと、極端に疎くなる世界が出て来ます。芸能界のタレントや歌手名は、

まるで忘却の彼方です。花の日本名も然りです。咽喉元まで出てきても、其処から先が出て来ないこと

が度々あって“ 加齢で惚けたのでは? ”と心配になってしまう事が再三再四あります。 


 今回の花のタイ語名は、『 アンチャン 』です。バンコクでは、公園、学校、寺院などで見かけるありきたりの

花の一つなのですが・・・日本名が思い出せません。


タイ語名でアンチャンと呼ばれる花


 日本名を知るには、タイ日辞典で確認するのが一番ですが、それには、正しいタイ語のスペルを知る必

要があります。ところが、タイの友人に聞いても、『 アンチャンの花? 知らない 』、『 綴り? 分からい 』と

言うばかりで、取り付く島もありません。


 数日前、自宅近くの外資系の法律事務所の玄関先に咲いていた濃藍の『 アンチャン 』を撮っていると、

事務所の奥から出て来た初老の白人会計士と目が合いました。


   僕 『 こんにちは、花を撮影させて頂いています 』

   彼 『 どうぞ、どうぞ、綺麗な花でしょう! 』

   僕 『 貴方の国では、この花を何と呼びますか? 』  
 
   彼 『 Butterfly pea と呼んでいますよ 』


 早速、自宅近くのアジア書房に立ち寄り、英タイ辞書でタイ語のスペルをチェック。自宅に戻ってから、

自分のタイ日辞書を引くと、いとも簡単に日本名を確認をすることが出来ました。『 Butterfly pea 』の

タイ語名であるアンチャンのスペルも判明。


 その日本語名は、英語をそのまま直訳した『チョウマメ』(蝶豆)でした。 英タイ辞書によると、この花は

インドと東南アジアを原産地とする蔓性の植物とあります。



アンチャンの蔓と葉。     豆袋はまだありませんでした。


 アンチャンの葉は飼料、未熟豆は食用、少し毒性を含む根は下剤などに使われるようですが、タイでは

、アンチャンの濃藍色の花の搾り汁によって、御菓子や米の染料として使用することが多いようです。 


 染料にする技法としては、アンチャンの搾り汁にマナオの搾り汁を加減しながら加えると、薄い水色から

青色、藍色、紫色のように色のグラジュエイションを表現することが出来るのだそうです。


 下写真の青色の段々菓子は、アンチャンの花の搾り汁で色付けしたものですが、緑色の菓子の染料は、

バイ・トゥーイの緑葉の搾り汁、赤色のお菓子は、樹木に着いたラン・クラン(ラック貝殻虫の巣)を煮込んで

赤く染色すると教えてもらいました、。 僕のタイ語のヒアリングが間違っていたらすみません。



色とりどりに染められた段々菓子(カノム・チャン)


 僕は、お酒大好き、御菓子大好きの甘辛党なので、タイの市場に出かけた時は、必ず、タイの甘い

御菓子を買い求めます。僕のお気に入りの一つに、タイの西側海域に広がるアンダマン海を表現した

ウン・アンダマン(アンダーマン海の寒天)と呼ばれる御菓子(下写真)があります。 青色のお菓子

(下写真の左手前と左奥右側の青い菓子)は、アンチャンの絞り汁で染められています。


ウン・アンダマンと名づけられた御菓子(五個で10バーツ 約30円)


 しかし、僕の最高のお気に入りは、アンチャンの花弁で染められた段々菓子のカノム・チャン(下写真)です。

食感は、甘み抑え目のネットリしたゼリーと言った感じです。カノム・チャン(段々菓子)は、透明の薄い小奇麗

なプラスチック箱に入れられた状態(下写真)で売られています。


小奇麗なプラスチック?箱に入ったカノム・チャン


 一個10バーツ(約30円)もする御菓子ですから、少しばかり凝った包装だなと思っていたのですが、実

は、ゼリーを10段も積み重ねて作られた御菓子なので、包装袋がないと、10枚のゼリーの重さのため

に表層崩れを起こしてしまうからでした。


プラスチック?箱から取り出すと、ゼリーの重さで形状が崩れ始めます。


 カノム・チャン(段々菓子)の紫色(上右写真)を出すには、アンチャン(チョウマメ)の花の搾り汁に、マナオ

の搾り汁をタップリと加えて色付けをします。 カノム・チャン(段々菓子)の藍色(上中写真)は、アンチャン

の花の搾り汁に、マナオの搾り汁を少しばかり加えて色付けをします。


 タイの中高年女性の話しによると、アンチャンの御菓子以外にも、アンチャンの花弁の搾り汁に、マナオ

の搾り汁と水と砂糖を加えたアンチャン・ジュースという飲み物もあり、これが便通や利尿作用に効果を

発揮する上に、お肌の健康にも打って付けなのだそうです。 中高年女性にとって、アンチャン(チョウマメ)

の花汁は、お菓子にしろ、ジュースにしろ、利用価値の高い植物なのですね。 


 最後に思い出しました。僕が使用しているシャンプーとコンディショナーも、アンチャンから作られていました。

アンチャン(チョウマメ)の成分が、加齢で鈍くなった僕の脳みそを、活性化してくれると良いのですが。 





読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■きれい
とても、綺麗なかわいいお菓子が、たくさんあるんですね。花もその国々でいろいろな使われ方があり、ほーっ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:と、見入ってしまいました( ̄ー☆
ピンクガーベラ 2008-06-11 12:03:36 



■ピンクガーベラ さん
花は見るものと思っていましたが、このような伝統的な使い方もあるのですね。御飯もこのようにして着色したものがあります。
hiro-1 2008-06-11 17:56:03


■さっそく4月13日へ!
見てきました。ルーク・チュップ・タイ(^^♪動物ものもあるんですね〜!やっぱり可愛い*アートですね* タイに行って食べたいですー(●^o^●)
亜門ちゃん 2008-06-11 13:38:21


■タイのお菓子大好き♪
タイもタイのお菓子も大好きです!カラフルでかわいくて見てるだけで テンションUP↑デス。レモンで色の変わるハーブティがあるので、マナオ(ライムですよね)で色つけも納得です。 カノム・チャンはもっちりしてておいしいです(^^♪ あとルーク・チュップの可愛らしさ、忘れられません。機会があればそのお写真も見せて下さいね。
亜門ちゃん 2008-06-11 00:27:33


■亜門ちゃん さん
僕も久し振りに過去ログを見てみましたが、あの時はポケット・カメラで撮っていたのですね。今度、一眼カメラで取り直すつもりです。
hiro-1 2008-06-11 17:51:02

■亜門ちゃんさん
今年の4月13日にルーク・チュップ ・タイを書きましたので御覧下さい。
http://ameblo.jp/hiro-1/theme2-10002391518.html
hiro-1 2008-06-11 11:03:47



■ひょえ〜!
彩りが鮮やか過ぎて、いったいどんな豪勢着色料(合成着色料)が入っているのだろう?と手をだせずにいましたが、全部自然のものでこんな色が出ているのですね!@@ それにしても、よくここまで調べられましたね〜!すごい!!!
シャンティcoco 2008-06-11 16:34:02 


■シャンティcoco さん
屋台の小母さんに聞くと、詳しく教えてもらえますよ。秘伝の技術ではなさそうです。
hiro-1 2008-06-11 17:44:37


■無題
海外にはほとんど行ったことがないので、とっても興味深かったデス(^-^)  タイに行ってみたくなりました♪
PON 2008-06-11 08:33:42


■PON さん
蛍が飛ぶなんて羨ましい生活ですね。もう何十年も見たことがありません。
hiro-1 2008-06-11 11:06:38
 


■すごーい!
タイのお菓子はカラフルですねーヘ(°∀°*)ノ酒飲みさとう、あいにく甘いものを(酒で糖分摂取してるので) 積極的にたべようとは思わないのですが、アンチャンのお花もお菓子もきれいですねヘ(°∀°*)ノ

もんきぃ・さとう
 2008-06-10 23:07:52


■もんきぃ・さとう さん
今も、甘いものを食べたいと思いながら、二日酔い状態で書いています。減量作戦を実施中だと いうのに・・・
hiro-1 2008-06-11 10:54:39


■お菓子大好き!

鮮やかな色のお菓子は、やはり南国ですね。
アメリカンコッカーラブ 2008-06-10 21:37:16


■アメリカンコッカーラブ さん
鮮やかな色の名前に、アンダマン海の名前をつけるセンスに乾杯!
hiro-1 2008-06-11 10:50:53


■甘辛両刀…
僕もそうなのです〜どぎつい色は健康に悪そうと思っていましたが自然の着色料だったのですね。アンチャンはスイートピーの仲間なのかな。似ていますね。カノムは大好きなので、またUpお願いしますね。
kii 2008-06-10 16:00:53 

 

■kii さん
屋台の小母さんは、自分の母親から教わったのでしょうが、自然の植物を利用した着色術をよく知っていますね。
hiro-1 2008-06-11 10:48:58


■兄ちゃんの花かと一瞬思いました(爆)。
そういわれてみると、蝶に似た形ですね。花の搾り汁に何を混ぜるかで、こんなに鮮やかな色の違いが出るなんて面白いです。最初にこの色の違いを出してお菓子を作った方、染色の仕方を発見した時は興奮したでしょうね!
レマ 2008-06-10 11:15:45 



■レマさん
毒性の花が多い中から選び出すのですから、先人の人の度胸と開発魂は凄いですね。
hiro-1 2008-06-11 10:38:42



■カノム・チャン
大好きです。青系はアンチャンですか。勉強になります。赤色のものはラン・クランもそうですが、ドーク・カチアブ(Rossele)を使っている場合も多いようです。
thaifruits 2008-06-10 10:39:21 


■thaifruits さん
ドーク・カチアブの名前も出ていましたよ。でも、この日の屋台の小母さんはラン・クランでしたので、面白いと思って書きました。それと、アンビルとかいう、初めて聞く植物の名前も出ていましたよ。
hiro-1 2008-06-11 10:29:44 


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