バンコク郊外を散歩している時、細い枝から垂れ下がる可憐な赤い花が目に留まりました。タイ語では
Ton Prathat Ciin と呼ばれていますが、直訳すると “ 中国の爆竹草 ”となります。
英語名は Fire Cracker Flower ですが、タイ名も英語名も中国語名から来ているようですね。 |
|
見れば見るほど中国の爆竹に似ています。 |
中国系タイ人がお祝いや喜びを表すときに好んで使用する“かんしゃく玉”によく似ています。中国で元旦
や祝日などで用いる爆竹は、現在は紙筒に火薬を込めて密封して点火しますが、古くは、幾つも節のあ
る青竹を火で炙り、連続して出る空気の破裂音を楽しんだようですね。 |
植物分類名を調べて見ました。
科名 |
Scrophulariaceae |
ゴマノハグサ科 |
属名 |
Russelia |
ルッセリア属 ハナチョウジ属 |
属名 |
Russelia |
ルッセリア属 ハナチョウジ属 |
学名 |
Russelia equisetiformis |
フランス植物学者 A.Russellの名前より |
種小名 |
equisetiformis |
− |
英名 |
Fire Cracker Flower |
爆竹花 |
タイ名 |
Ton Prathat Ciin |
中国の爆竹草 |
日本名 |
ハナチョウジ |
花丁子、ラッセリア |
日本名 |
ハナチョウジ |
花丁子、ラッセリア |
原産地 |
メキシコ |
- |
日本名のハナチョウジ(花丁子)の意味を理解するのに少しばかり時間を要しました。チョウジ=丁子とあ
るので、最初は常緑高木のフトモモ科の花だろうと思ったのですが、僕が見たハナチョウジは、僅か1-2m
程度しかない小低木のハナチョウジだったのです。
何故にチョウジ(丁子)などと紛らわしい名前で呼ぶのでしょうか? それらしきことが分かる短かくて単
純な記述を見つけました。 ハナチョウジの長い花筒の先を横から見ると、「丁」
の字に裂けているから
なのだそうです。
バンコクでは、正月だけではなく、中国系の流れをくむ祝日などでも、彼方此方の路地で、昼夜を通して
爆竹の炸裂音が鳴り響きます。最初の頃は、ピストルの発射音と勘違いすることもありましたが、年月を
重ねるに従って、すっかり慣れっこになってしまいました。
|
|