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日が陰ると垂直、陽光が挿すと水平になる観葉植物



HP編集略号beninoki1.htm

和名:紅の木

英語名:Lipstick Tree
タイ名:Kham seet
改編:2016年6月15日 初稿:2009年5月15日 撮影:プラプラデーン


 バンコクを流れるジャオ・プラヤー川の向かい側のサムット・プラカーン県プラプラデーン郡を訪れた時の

話です。僕のお気に入りの場所なので拙BLOGに幾度となく登場するバンコクに最も近い田舎です。 


 長閑な田舎風景の中に、栗のイガイガに似た赤い房状のものがぶら下がる常緑の低木を見つけました。

赤い房状のものが、花なのか?果実なのか? 兎に角、今まで見たことのない形をした植物です。(下写真)



  
高さ3m余りの常緑木            栗のイガイガに似た房


 いつもならば、この辺りには、小道に置かれた椅子に腰を下ろして日がな一日談笑している老人が何

人もいるのですが、此の日は気温が37℃もあった所為なのでしょうか、行き交う人もいません。


 タイ語の花名を教えて貰うことも叶わず・・・デジタル・カメラで数枚の写真を撮っただけで、近くの水上マ

ーケットで昼食を取ることにしました。食事の注文を済ましてから、やおらデジタル・カメラを取り出し、

先ほど撮影したばかりの名前不明の花の写真を覗き込んでいると・・・隣に座っていたタイ人の40代と思し

き小母さんが語りかけて来ました。



    彼女 『 何を撮ったの? 』

    僕   『 花ですけど、名前が分らないのです 』
 
    彼女 『 ドレドレ・・・此れは ンゴ の仲間だね 』   ※ンゴ =ランブータン

    僕   『 それで、何と言う名前ですか? 』 

    彼女 『 カム・ンゴ だと思うわ 』             ※カム・ンゴ = 金色のランブータン


 先ほど見たばかりの房状の赤い果実が “ ンゴ ” ( 英語名:ランブータン )の仲間だと言われても、

“ ンゴ ” を知っている僕としては、俄かには信じられず、失礼ながら生半可な相槌しか打てません。


柔らかい赤毛に被われた果実。赤い葉脈が浮き上がる葉は心臓みたい。


 後日談ですが、植物に詳しいタイ人に、僕の撮った写真を見せたところ、『 ンゴ ( 英語名:ランブータン )

は、Sapindaceae (ムクロジ科) のNephelium(ランブータン属 )。 僕が現場で撮影した植物は、Bixaceae

(ベニノキ科) の Bixa(ベニノキ属 )であり、タイ語名はトン・カム・セーッツ ( 黄金の木 ) なので、両者に

植物学上の関係は無いことがわかりました。


 但し、“ カム・セーッツ ” のことを、地方(人)によっては、プラプラデーンの小母さんのように、“ カム・ンゴ ”

(黄金色のランブータン )の俗称で呼ぶこともあるのだそうです。

親切に教えてくれたタイ小母さんの話に疑念を挟んだ僕でしたが、本当に申し訳ないことをしてしまいました。


赤い果実の色とは対照的な薄桃色の可憐な花
( 花弁は円錐花序、花径5〜6cmの五弁 )


 タイ語名 ( トン・カム・セーッツ ) の正しい綴りさえ分れば、英語表記の学名、科名、属名を容易に知ることが出

来ます。そして、英語ネットを検索すれば、かなりの確立で日本語の花名に辿り着くことが可能となります。


 チョッと遠回りな手法で調べた結果、タイ語名の トン・カム・セーッツの日本語名は、英語名の Lipstick Tree を直

訳した “ ベニノキ ” ( 紅の木 ) でした。 タイでは、観賞用というよりは、寧ろ、染色用の植物として、種皮から

オレンジ色の食用色素(アナトー)を採集し、口紅、バター・チーズ、チョコレートなどの天然着色料として利用されて

いるようです。


ハワイでは、紅の木の常緑性と南国的な紅色の果実を生かして街路樹や公園などの観賞用として植樹されてい

るらしいのですが・・・ハワイで一度も見かけた憶えがありません。見過ごしてしまったのでしょうか? 


《 植物学上の分類 》
 科名  ベニノキ科 Bixaceae
 亜科  -
 属名  ベニノキ属 Bixa
 学名  Bixa orellana
 種名  -
 和名  紅の木
 英名  Achiote , Annatto Tree ,Lipstick Tree
 タイ名  Kham seet
 性状  -
 花色  -





読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■ンゴ
ランブータンってタイ語ではンゴ何ですね。日本のケイトウという花に形が似ています。染色用に用いられる事ではまさに紅花ですね☆こちらで普段中々見られないタイの花や木々を見る事が出来たり、タイ語を教えて頂ける事とっても楽しいです(°∀°)b
loubou 2009-05-16 10:01:57 


■Re:loubouさん
僕の表現力が不足していて申し訳ありません。ランブータン(ンゴ)は食用、カム・セーツ(紅ノキ)が染色用です。
hiro-1 2009-05-17 03:05:44 


■はじめまして♪
いつもペタありがとうございます。温かい地域で見かけますね。パプアニューギニアではシンシンダンスの際、フェイスペインティングの顔料として使われていましたよ。
ひろみ 2009-05-15 23:32:33


■ひろみさん
楽しく読ませて頂いています。アメリカ先住民もフェイス・ペンティングで使用していたそうです。虫除けの効果もあるのだそうです。
hiro-1 2009-05-16 01:10:49 


■ンゴ
大好きです。これが本当にンゴだったら嬉しいですねえ。植物動物にはいろいろな俗称がありますからね。本物のンゴはどういう木に、どういうふうに生っているのでしょうか。
kii 2009-05-15 09:51:22


■kiiさん
ンゴの季節が到来しましたね。16日のBLOGテーマをンゴにしました。
hiro-1 2009-05-16 00:58:37 

■タイはいま
旅行するには安全ですか?過去に2回行きました。また 行きたいデス。
sizintanabou 2009-05-15 04:32:12


■sizintanabouさん
政治的不安定さは相変わらずですが、そのような場所に近付かなければ大丈夫です。でも、新型インフルエンザに対する防御策となると、難しいですね。
hiro-1 2009-05-16 00:56:28 


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