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試験管の洗浄刷毛に似たボトルブラシの花



HP編集略号bottlebrush1.html

和名: キンポウジュ

英語名:Crimson Bottle Brush タイ語名:Preeng Laang Khuat
公開:2011年3月16日 初稿:2007年2月24日 撮影:スバンブリー 県 & バンコク


 名前が分からない侭に眺めている花の何と多いことか! 


 現役時代は、花の名前など何所吹く風だったのに、前期高齢者になった現在は、名前の

知らない花を見かけたり、耳にしたりすると、気になって仕方ありません。 


 本格的な花木図鑑が手元にないこともあって、中々思うにまかせないのですが、何かの

拍子に花の名前が判明すると、心浮き浮き、幸せな気持ちになります。


バンコク・ベンジャギティ公園の常緑小低木のブラシの木


 ベンジャギティー公園の南側の池畔に、高さ3m〜4m程度の常緑小低木が十数本植えら

れています。自宅から車で15分なので、いつも気軽に出かける憩いの場なのですが、どこ

にでもありそう低木に、まさか赤い花が咲くとは思いもしませんでした。


 2月の夕方近く、公園南側通路に立ち並ぶ低木の傍を通り過ぎようとした時、常緑葉の中

で変てこな形をした赤い花が揺れ動いているのに気付きました。 池畔のベンチに腰を降

ろしていたタイの老人に、この花木の名前を訊ねると、

    『
空になったガラス瓶を洗浄するブラシに似ているね 』 

愉快そうに声を立てて笑うばかりで、結局、花の名前は御存知ではありませんでした。 


ベンジャギティ公園の赤い花に蝶々がとまりました。


 僕の目には “ 試験管の洗浄ブラシ” のように見えたのですが、言われてみれば、『 空の

一升瓶を洗うブラシ 』 にも似ています。 思わず連れ笑いをしてしまいました。


 公園からの帰途に立ち寄ったラーチャダムリ通りのペニンスラープラザの洋書店で、

1000種類の花木が掲載された英語版の花木写真集 “Plants for Places” を発見。 


 立ち読みで赤花を捜すも、花名不明な上に写真も小さくて苛々するような作業です。 

743バーツ(=2,300円)の値段は高い!と思いましたが、衝動買いしてしまいました。


赤い刷毛のようにも見える花糸


 帰宅して全576頁の花木の写真集を捲る作業を開始。しかし、お目当ての花は、中々見

つかりそうにありません。なかば投げ遣りな気持ちになって INDEX を捲っていると、

Crimson Bottle Brush の印字が目に留まりました! 


 喜んで287頁を捲ると、先程の赤花が掲載されています。英語名の Crimson Bottle 

Brush で辞書を紐解くと、和名もタイ語名も、植物名分類も芋ずる式に判明しました。


英語名  Crimson Bottle Brush   意味= 深紅色のボトル・ブラシ
日本名  キンポウジュ   金宝樹
タイ名  Preeng Laangg Khua (注)   意味= 瓶を 瓶を洗うブラシ


(注) Preeng=ブラシ、Laang=洗う、Khuat = 瓶


 ボトル・ブラシの枝の下に入り込んで上方を見上げると、赤花が顔面に向かって降り注い

でいるように見えます。 僕が小学校時代を過ごした中国山脈の小盆地の旧山口市で、

数千本の竹に吊るされた七夕の提灯祭りのトンネルの下を、今は亡き両親と連れ立って歩

いた昔を懐かしく想い出します。


降り注ぐように見える赤花


 英語説明書を読むと、ボトル・ブラシは、枝先の花序で成長するとあります。タイ語説明書

によると、枝と葉の成長が花序の成長よりも数倍も早いので、しな垂れる緑葉から赤花

が垂れ下がっているように見えるのだそうです。


成長途上の花糸 成長につれて増える花糸 花糸は雄蕊群?
 花序の成長よりも数倍も早い枝木と緑葉の様子を見ることができます。


 原産地は東南アジアだろうと思ったのですが、購入した写真集 Plants for Places による

と、意外にもオーストラリア東部地域とありました。豪州のゴールド・コーストにお住いのブ

ロガーさんのコメントによると、自宅近くの海岸に通じる通りでボトル・ブラシを見ることが

出来るとか。


雄蕊だけで形成されたボトル・ブラシ


 ボトル・ブラシの雄蕊の群が形成される直前の姿を見ることが出来ました。緑色の蕾の先

が裂けて濃紫色を帯びると、蕾から一本の長い雌蕊が突出。赤糸のように見える雄蕊が

蕾の先を突き破って縺れるようにして出て来ます。


 15cm前後の長さに成長した花穂は、ボトル・ブラシの様相を整え始めますが、最初に突

出した一本の雌蕊は姿を消し、花穂は雄蕊だけになってしまうとか。


一本の長い雌蕊の根元で縺れた糸になった雄蕊 枝葉に支えられた赤花 ボトル・ブラシの種子


 枝先を真紅に染めた雄蕊は、時間の経過とともに風に吹かれて飛散します。色の潤いも

喪失した赤花は、乾涸びた小葡萄のようになってしまいます。 これが、ボトル・ブラシの

の種子になるようです。 


 その後、タイの各地を旅する中で、常緑低小木のボトル・ブラシを何度も見かけました。

2010年の1月、バンコク西北のスパンブリー県のドーン・チェディー寺院の駐車場の片隅で、

高く聳える常緑高木のボトル・ブラシを初めて見ることが出来ました。


ド−ンチェディ寺院の高木のブラシの木


 金宝樹の種類には、僕が見た低木の他にも、高木の種類もあるようです。ドーン・チェデ

ィーやチェンラーイで見た巨木は、下記に属する種類だと思われます。


“Callistemon speciosus” と “Callistemon rigidus R. Br.”



=常緑低小木の植物分類=
  学   名   Callistemon citrinus  (C. lanceolatus)         種類が極めて多い
  科   名   フトモモ科            Splendens
  属   名   カリステモン属    * 30品種有り  (Callistemon formosus 
  和   名   キンポウジュ ( 金宝樹 )、ハナマキ ( 花槇 )、ブラシの木  -
  英   名   Crimson Bottle-brush    深紅色のボトルブラシ
  タイ語名    Preeng Laang Khuat  Preeng=刷毛、Laang=洗う 、Khuat=瓶  瓶を洗うブラシ
  性   状   常緑低小木    (品種によって常緑高木もあり)  -
  分   布   オーストラリアの東部   -
  花 言 葉   はかない恋  -





読者の方から頂戴したコメント


 hiro-1からのお返し


■bottlebrush
ボトルブラッシュ、ゴールドコーストのあちこちにあります。オーストラリア原産なんですね。私もはじめこの名前を聞いたとき、なるほど!と思ったものでした。
petal-1 2007-02-24 10:05:08


■petal-1さん
ゴールド・コーストで咲いているのですか? 知りませんでした。現役時代に三度ばかり行きましたが、殆ど毎日ホテルの部屋と会議室の往復ばかり、
通りに咲く花を見る余裕も無かったことを恥ずかしく思っています。
hiro-1 2007-02-25 03:56:51
 


■今日は
こんにちはいいブログですね。これからも応援してます
ひろくん 2007-02-24 12:17:41 


■ひろくん 
お立ち寄り有り難う御座います。剛さん今から何をするのでしょうか?参議院でしょうかネ? 
hiro-1 2007-02-25 03:48:49 

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