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世界一周航海をした最初の女性
編集HP略号bougainvillea3.htm
和名: イカダ・カズラ
英語名:Bougainvillea
タイ語名:Fuan Faa
改稿:2014年5月17日
初稿:2014年4月30日
撮影:タイ国内の各地
ブーゲンビリアの花の発見者は、フランスの世界一周艦隊のBougainville艦長ではなく、同艦に乗り組んで
いた艦長の友人であり、艦隊の船医を務めていたフィリベール・コメルソン氏 だったということを、前回のHP
で既述しました。当時、長期航海をする艦隊に乗り組み船医は、薬品の原料となる植物を往く先々で調達す
るために、植物学の知識が必要だったようですね。
フィリベール・コメルソン氏も植物学に深い造詣を持つ船医だったのですが、乗船中の彼に纏わる3文週刊誌
の記事を彷彿とさせるようなエピソードが残っていました。
コメルソン船医
世界一周探検艦隊の船医兼薬剤師として乗り組んだコメルソン氏は、ジャンヌ・
バレ氏 (Jeanne Valet ) という助手を同行していました。18世紀の長期航海は、
野菜不足で壊血病に罹る水兵が多く、多忙な船医を補佐する薬草知識のある助
手が必要だったのでしょう。
ところが、航海の途上で立ち寄ったタヒチ島で、驚愕すべき珍事が勃発します。
当時のタヒチ島は、命懸けで来島する白人とのビジネスを良好に進めるために、
酋長が島の若い女性を白人船員に提供する風習がありました。
コメルソン氏の助手のジャンヌ・バレ氏の元にも、若い女性が送られま
した。どころが、
ジャンヌ・バーレ氏
は、差し向けられた女性を頑なに拒絶、その女性を追い返してしまいます。
激怒した酋親が
ジャンヌ・バレ氏
に凄い剣幕で詰め寄った
ところ、困窮したジャンヌ・バレ氏が、『実は、私は男性ではなく、女性です』と白状し
たことから、むさ苦しい男所帯の艦内は、上を下への大騒ぎとなります。
いつ終わるとも知れない長期航海で、しかも、大部屋という生活環境の中で、誰もジャンヌ・バレ氏を女性だ
と気付かなかったと言うのですから、まさに、驚き、桃の木、山椒の木! とても信じられるような話ではあり
ません。 ジャンヌ・バレ女史はどのような出で立ちで艦内生活をしていたのでしょうか?
興味に駆られて、駄目もとでネット検索すると・・・・なんと! 男装した彼女のイラスト(左図)がヒットしま
した。
ジャンヌ・バレ氏
ジャンヌ・バレー氏と大部屋生活を共にした同僚の話があります。
『 そういえば、奴が水浴びする姿を一度も見たことが無かったな! 』
狭い艦内に214名もの乗組員が身体を寄せ合って生活する中で、彼女は
、汲々とした日々を送ったに違いありません。
左のイラストが植物採集を行うジャンヌ・バレ女史の姿ですが、頭部がと
ても小さく、背の高い九頭身の優しい顔の男性に見えます。
この時代の新種植物の登録記録簿には、男装のジャンヌ・バレ女史が
航海中に発見採集した植物名が多数記録されていることから、彼女は研究
熱心で才能のある女性博物研究家だったとする意見もある
のですが・・・・
当時のフランスの巷では、『 ジャンヌ・バレ女史はコメルソン氏の愛人に違いない 』 とする噂でもちきりだった
ようです。しかし、上司のコメルソン氏は、『 全く気付きませんでした 』 と言葉少なく語るだけで、それ以上何の
弁解も反論しなかったそうです。
ジャンヌ・バレ女史が男装して乗り組んでいた
Frigate艦 Boudeuse号を描いた絵です。
■排水量 550頓
■全 長 40m
■全 幅 10.5m
■乗組員 214名・・・・・内士官=8名
■船材質 木造船
女人騒動を起こしてタヒチ島を出港した探検艦隊が、インド洋モーリシャス島に寄港した時、コメルソ氏は、フランス
艦隊とジャンヌ・バレ女史に突然別れを告げて下船しています。
その後のコメルソン氏は、インド洋の小島を転々としながら、大好きな植物研究に精魂を傾け、数回はフランスに
戻って植物学名の登録手続きなどをした可能性もありますが、その後の人生の大半をインド洋の孤島で過ごして生涯
を終えたと伝わっています。
後日になって目を通した記事に、ジャンヌ・バレ氏が女性であることが判明したのは、彼女自身による告白ではなく、
船医のコメルソン氏の医学的診断の公表結果であったとする説も見かけたのですが、今となっては、臆説に過ぎず、
真実を確認する手立ては何も残されていません。
チョンブリー・ノンヌット公園のブーゲンビリア
バンコクの健康公園のブーゲンビリア
1769年、Bougainville氏のフランス艦隊は、仏国として初の世界一周航海に成功して、母国フランスの海軍基地であ
るブルターニュ・サン・マロー港に凱旋帰港し、フランス国民から歓呼の声で迎えられた事を報ずる当時の新聞記録が
残っています。
ジャンヌ・バレ女史のその後についての短い文章を見つけました。ジャンヌ・バレ女史は、コメルソン船医がインド洋の
モーリシャス島で下船した後も、世界一周艦隊の Boudeuse号 に乗船して仏国に戻っていました。 彼女は、この時を
もって、『 世界一周の快挙を成し遂げた初めての女性 』 として歴史に名前を刻まれることになったのですが・・・彼女の
その後の動静は、杳として知れず、何一つ掴めないのだそうです。
バンコク・ラーマ9世公園のブーゲンビリア
サムットプラカーンのブーゲンビリア
世界一周を終えた Bougainville氏は、後になって『世界周航記』 (1771年)を著しています。 その著書の中で、彼は
、『タヒチ島民は高貴な野蛮人』 と書き、毎日のように怠惰な文明生活に浸る欧州人を揶揄しているのですが、当時は
、未だ見ぬ南の島の生活に強い関心を抱いた人々もいたようです。
画家のゴーギャンが、南太平洋島に旅立ったのは有名な話ですね。 彼は、ひょっとして世界周航記の影響を受け
たのではないかと想像を逞しくしてチョット調べてみたところ、ゴーギャン氏は、Bougainville氏よりも百年以上も後の時
代の人でした。
(注)ゴーギャンがタヒチに渡ったのは、1891年と1895年の二回。
=ブーゲンビリアの植物名分類=
学 名
Bougainvillea Spectabilis Willd
科 名
オシロイバナ科 Nyctaginaceae
属 名
ブーゲンビリア属 Bougainvillea
英 名
Bougainvillea
和 名
ブーゲンビリア、イカダカズラ(筏 葛 )、九重葛
タ イ 語 名
Fuan Faa 意訳:天空に向いて咲き誇る繁栄の花
中国系タイ人
Trut Jiin 意味:中国正月の春節
分 類
非耐寒性、ツル性低木
原 産 地
中央アメリカ、南アメリカ
花 言 葉
情熱、魅力、貴方は魅力に満ちている。
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主題
初稿
改稿
HP編集略号
タイの古戦場に咲く真紅のブーゲンビリア
2009年3月27日
2011年3月20日
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ブーゲンビリアを発見したのは誰ですか?
2011年3月20日
2011年3月20日
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ブーゲンビリア発見の裏話
(当該頁)
2014年4月30日
2014年5月17日
bougainvillea3.htm
老いたブーゲンビリアの狂い咲き
2013年11月23日
2014年5月17日
bougainvillea4.htm