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床上げの日に眺めた風鈴仏桑華



HP編集略号busougefurin1.htm

和名:風鈴仏桑華

英語名:Japanese Lanturn タイ名:プー・ルアホン
改編:2016年7月21日 初稿:2010年3月15日 撮影:バンコク


 高熱を発してから8日目の今朝、久し振りにスッキリと目覚めたような気がしました。両耳の上部と

目尻との間の “ こめかみ ” の深部辺りには、未だ微かな痛みが残っているような気もしますが、

少なくとも高熱の症状は治まったようです。


 起き出してシャワーで昨晩の寝汗を洗い流すと、なぜか無性に散髪屋に出かけて頭髪をカットした

くなりました。早速、スィーロム通りの行きつけの散髪屋に出向き心身ともに “ すっきり ” すること

にしました。


 いつものカットよりも、もっと短くカットして欲しいと要求する僕に、タイ人理髪師は少し驚きながらも

、思い切って刈り上げてくれました。 病み上がり顔の冴えない見てくれですが、刈り上げ過ぎの髪

型が元気なイメージを演出してくれているような・・・気は心なりです。


 気分が良くなったところで、自宅には戻らずに、お気に入りの公園の緑陰の芝生に寝転んで憩うこ

とにしました。傍迷惑な反政府デモの噂があるからでしょうか、いつもは混雑する道筋もガラガラの

スイスイ状態、公園にも殆ど人の影がありません。


 木漏れ日の芝生の上に、8日間の高熱との戦いで疲れ切った全身を思い切り伸ばすと、雲ひとつ

ない初夏のすっきりした青空が、何処までも広がっています。 すると、そのとき、初夏の微風に

流されて、二輪の真っ赤な風鈴仏桑華が、群青の青空に、揺れて垂れ込むように舞い込んで来ました。



青空の視界に舞い降りて来た真っ赤な風鈴仏桑華


 この辺りに “ 風鈴仏桑華 ” があることは耳にしていたのですが、いつも時期外ればかりで、しょぼ

くれた仏桑華しか見たことがなかったなかったのですが・・・吃驚して周りを見回すと・・・ アララ、アララ、

幾つもの風鈴仏桑華が、微風の中を “ 揺ら揺ら ” と垂れ下がっているではないですか! 病み上がり

の僕にとって、これ程の嬉しい“はなむけ” があるでしょうか! なんとも嬉しい “ 床上げの日 ” となりました。





 公園を吹きぬける爽やかな微風の中を、可憐な赤い風鈴仏桑華が、あちらこちらで上下、左右に

たおやかに揺れ動く様は、何とも心を和ませてくれます。




 風鈴仏桑華( フウリンブッソウゲ ) とは、深くて細い切り込みのある五つの花弁が上方向に反り

返るように咲くのが特徴ですが、この花の葉の特徴を観察すると、ハイビスカスの互生葉に酷似し

ていることが分かります。


 植物学上の学名分類を調べると、両者とも非耐寒性の常緑低木で、ハイビスカスの仲間に属する

仲間であることが分かりました。



 学名  通称名
 Hibiscus schizopetalus    風鈴仏桑華
 Hibiscus moscheutos  アメリカ芙蓉
 Hibiscus rosa-sinensis  Rosa ハイビスカス
 Hibiscus huegelii  ライラック・ハイビスカス

                         




 風鈴の名前の起源は、沖縄の与那国島で生まれたという記事を読んだことがあります。 裂けて

反り返った花弁の先端から垂れ下がる紐状の雄シベが、夏の軒下で涼やかな音を奏でる風鈴の短

冊に似ていることから名付けられたのでしょうね。 


 沖縄には、風鈴仏桑華の他にも、 “ 提灯花 ”、“ 線香花火 ” の呼び名もあるようですが、何れの

呼称も、黄泉の世界 ” を思わせる名付けなのがなんとも興味深いですね。


 英語呼称は、 『Coral Hibiscus』 (コーラル・ハイビスカス)で、彼らの目には、避けた花弁が“

珊瑚”のように見えたようですね。




 英語通称名には、Coral Hibiscus の他にも、Japanese lantern、Fringed Hibiscus 等があります。

Fringed Hibiscus の意味は “ ヒラヒラの房飾りのハイビスカス ”ですので、学名の Hibiscus

schizopetalus (切れ込みのある花弁)と同じような意味合いですね。中国名は吊灯花ですが、古く

は扶桑花(意味:日本の花)とも呼ばれていたそうです。


 植物学分類上の呼称は、英名、和名、中国名、いずれの名前も、風鈴仏桑華の特徴を的確に

捉えた良き花名だと思います。


 余談ですが、ハイビスカスの園芸上の分類に、通常のハイビスカス(コーラル・ハイビスカス)と風

鈴仏桑華を交配させたコーラル・タイプと呼ばれる種類があります。(下掲写真)


コーラルタイプのハイビスカス    (ネットより拝借)


 上写真は、通常のハイビスカスと風鈴仏桑華を交配させたコーラルタイプのハイビスカスです。

一見すると、風鈴仏桑華の遺伝子を受け継いでいないようですが、一枚一枚の花弁が根元まで深

く切れ込んだ様子は、やはり風鈴仏桑花の遺伝子の一端を受け継いでいると思います。少なくとも

、ハワイアンタイプの重なり合った丸い花弁とは明らかに違いますね。


 私見ですが、おそらくタイで最も多い通常のハイビスカス(仏桑花)の種類は、コーラル・タイプだろ

うと思います。


コーラル・タイプの母体となった風鈴仏桑花


 チョット意外なことを耳に挟みました。高温多湿が苦手な通常のハイビスカスは、大概の場合

“一日花” だそうですが、涼しい日陰で生きる “ 風鈴仏桑華 ” は何日も咲き続けると言うのです。





風鈴仏桑華の植物名分類 》
 科名  アオイ科
 亜科  -
 属名  フヨウ属 
 学名  Hibiscus schizopetalus ( ラテン語=切れ込みのある花弁 )
 種名  -
 タイ名  プールアホン
 和名  風鈴仏桑華
 別名  沖縄名:提灯花 、線香花火 
 中国名  吊灯花
 英名  Coral Hibiscus ( 珊瑚のような花弁 ) 
 Japanese Lanterns ( 日本の提灯 )
 原産地  東アフリカ・モムバサ
 性状  常緑低木 花径は5センチから20センチ
 5枚の細く裂けた花弁が反り返る。雄しべの長さは10cm。
 花色  -
 花言葉  繊細な美しさ



この主題に関連するホームページ内の別の記事 

(主題をクリックすると該当頁に移ります)


 主題  初稿年月日  改稿年月日  HP編集略号
 コーラルタイプのハイビスカス  2009年8月1日  2016年8月1日  busougecoral1.htm
 ハワイアンタイプのハイビスカス  2008年9月7日  2016年7月30日  busougehawaiian1.htm
 オールドタイプのハイビスカス  2009年10月1日  2016年7月29日  busougeold1.htm
 床上げの日に眺めた風鈴仏桑華  (当該頁)  2010年3月15日  2016年7月21日  busougefurin1.htm
 バンコク都心で咲いていた八重のハイビスカス  2009年10月1日  2016年7月27日  busougeyae1.htm
 初めて見たタイプの八重のハイビスカス   2011年5月12日  2016年7月27日  busougeyae2.htm







読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■床上げ!
なんと古風な…hiro-1さんの博識さと大和男(おのこ)ぶりに感激しました。hiro-1さんは違うと思いますが、移民や永く海外に住んでいる方は、日本在住者よりも美しい日本語を話しますね。昔、職場にいた日系3世の女の子は見事な徳島弁を喋っていました。(笑)
kii 2010-03-15 21:20:07


■kiiさん
大正時代の日本語方言を巧みに話していた我が家系のハワイ日系二世は、全員が黄泉の人となりました。僕と同じ世代の日系三世は、誰一人日本語を勉強せず、英語だけの人になってしまいました。
hiro-1 2010-03-16 01:09:11


■無題
快癒とまではいかなくても、散髪する気分にまで回復されて、ほんとによかったですね。赤い花、狙ってなくて自然に入ってきた感じが素敵です。タイの政治の分裂状態は、いつまで続くんでしょう・・・。
藤原たかす 2010-03-16 16:09:11


■藤原たかすさん
元首相からの資金が続く限り、治まりそうもありませんね。噂では、援助資金の殆どは革命家と称する人の懐として消え、残りの僅かな資金が、デモ参加者へばら撒かれているとか。困ったものです。
hiro-1 2010-03-17 01:45:06


■無題
よかったですね!まるで小説でもよんでいるような感じで読ませていただきました。状況が手に取るようです。
あっぷるのおかあさん 2010-03-16 20:06:33


■Re:あっぷるのおかあさんさんありがとう御座います。
健康のありがたさを感じています。
水曜日からは平常の生活に戻れそうです。
hiro-1 2010-03-17 01:49:47


■すてきな写真☆風鈴仏桑華
なんとも異国情緒を感じるお花ですね!この赤がなんとも言えませんね☆
また床上げ、おめでとうございます!どうぞしばらくはお大事になさってくださいませ。
 2010-03-17 17:16:25


■花さん
ありがとう御座います。明日のブログに風鈴仏桑華の写真を掲載するつもりなのですが、どうなりますことやら・・・
hiro-1 2010-03-17 23:42:39


■無題
病み上がりに、天からのご褒美ですね。^^体調、もどされて、よぅございました。
シャンティcoco 2010-03-17 19:52:24


■:シャンティcocoさん
ありがとう御座います。実は、先ほど、一週間ぶりの飲み会から戻ったばかりです。チョット頭痛がしますが、なんとか呑める状態にまで戻ったようです。
hiro-1 2010-03-17 23:45:39


■風情がありますね
バンコクの青空の下もいいのですが、僕には中国のお祭りでぶら下がっている燈篭を思い出させます。
http://www.hamakei.com/headline/3768/
自然の摂理とはいえ面白い形態だし、それに趣のある命名をする人間も大したものですね。

kii 2010-03-22 07:56:45


■kiiさん
横浜中華街で『元宵節燈篭祭』を祝っていたとは知りませんでした。良い写真を見せて戴きました。
hiro-1 2010-03-22 14:40:02
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