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@タイの花尽くし

タイの花に癒やされた単身生活



HP編集略号dookmaai1.html

和名:

英語名: タイ語名:
改編:2011年3月22日 初稿:2009年7月24日 撮影: タイ国バンコク


 遥か昔の若かりし頃、東京で独身生活をしていた頃、自分の部屋に生花を飾ったことは、一度もなかったよ

うに思います。『 男に花は不似合 』 などと硬派を気取って嘯いる訳ではありません。 花を飾ってくれるような

女性が、誰も居なかったと言うだけのことです。


花の女王 カトレア ピンクのガーベラと白菊


 やがて、結婚して東京で親子三人の生活が始まっても、生花に囲まれた生活をするゆとりはありません。

その後、新米事業管理者として海外法人へ単身赴任。 未熟がゆえの緊張の日々と不摂生な単身生活が

続き、体調を崩して寝込んでしまうことも幾度となくありました。気弱になって家族に思いをつのらせる事もあり

ましたが、花を愛でて心を癒す方法は一度も思いつきませんでした。


カトレア、アンスリウム、ユり 蘭の花


 海外と日本国内勤務の仕事の相違点は数多ありますが、その代表的な仕事の一つとして、パーティーがあり

ます。パーティー は、正直に言って、 憂鬱で苦手な仕事だと思っていました。心の底から楽しんだことは、ただ

の一度もなかったような気がします。これも仕事の一つだからと、自分に何度も言い聞かせたものでした。 

でも、経験を繰り返すうちに、何とかなるようになるから不思議ですね。


 仕事の成果が上向くほどに、パーティ回数が増すのには閉口しました。 そんな僕を支援してくれたのが

パーティー担当のタイ人女子社員です。台本作成、会場の準備、晩餐会の料理と飲み物等のパーティ一切を、

タイ女性社員が責任を持って進めてくれるのですから大助かりです。 僕が自分自身でしなければならない事

といえば、式典次第、賓客リスト、会社重点施策と自分の挨拶原稿程度だけです。


 会場を彩る華々しい花の選択も、彼女達が率先して手配するのですが、その花の意味を滔々と説明される

のには、些か閉口してしまいました。 予算権限を持つ僕の事前了解を取るようにも見えるのですが、然に非

ず、好きな花で会場を華やかに彩る事が嬉しくて仕方ないのだと思います。


蘭、カトレア 菊、カーネーション 


 体調を崩して会社を休んだ僕を、会社のタイ人女性陣が見舞ってくれました。 布張り壁、全面チーク材の床

、大理石の通路、218uの会社の借上げ社宅は、当時としては、最高級の部類に入るマンションの部屋だっ

たように思いますが、単身赴任の僕には、あまり広すぎるし、どう考えてもアンマッチというものです。


 僕の性格もあって、室内を彩る飾り物や生花等は、何処を探してもありません。彼女達は、あまりの殺風景さ

に驚き入り、心の底から呆れ返っていたようです。その当時、海外で単身生活を送る僕にとっての部屋の基本

要件は、仕事で疲れた身体を横たえる快適なベッドとバス・タブさえあれば充分でした。


 巷では、『 男やもめに蛆(うじ)が湧く 』 などと言って揶揄しますが、洗濯と掃除は、年老いたメイドさんが

毎日やってくれるのですから、蛆(うじ)なんて、湧きたくても、湧くことも出来ない程に清潔なのです。


菊、カトレア、蓮、バラ、霞草 カーネーション、スターチス、バラ 


 そんな何も無かった部屋に、彼女たちの持参した色とりどりの御見舞いの生花が全ての部屋に置かれたの

ですから、殺風景な様相が様変わりしてしまいました。 仄かな花の芳香が漂い、潤いに包まれた部屋に生ま

れ変わったのです。


 それから数日したある日のことでした。 僕の部屋の清掃をしてくれていた当時60歳の女性が、いかにも愉

しげに、居間、書斎、主寝室、客用の2寝室、玄関は言うに及ばず、洗濯室、アイロン室、手洗所、メイド部屋

にいたるまで、生花を配置したのです。


 『 花をこんなに活けてどうしたの? 』

老女  『 貴方の女性スタッフからの命令です 』

 『 僕は何も聞いていないよ 』



何の話も聞いていない僕に、メイドの彼女がたてつづけに催促するのです。


『 生花を月に4回入れ替えるので 毎月200 バーツ 下さい 』 (約600円)

『 花瓶を10個買いました。立て替えの費用を下さい 』 (約3000円?)

『 足りなくなったら、その時はまたお願いします 』


葦の垣根(?)に掛けられた色とりどりの花


 当時の僕は、彼女の月収の三倍はする高級酒を寝酒していました。(現在の僕は、外では飲みますが、自宅

に居る時は一滴も飲みません) そんな僕を諌めるように、眉間に皺を寄せながら彼女が言いました。


『 高いお酒を飲んで身体を苛めるのは止めましょう 』

『 お釈迦様に叱られますよ 』

『 お酒で身体を壊すよりも、花を愛する方が遥かに利口ですよ 』



 彼女も、数年前に引退して、タイ北部の出身地に隠遁してしまいました。 最近、彼女の訛り口調を懐かしく

想い出すことがあります。元気で暮らしていれば嬉しいのですが。


 老女の引退と相前後して、10年近く別居生活を続けていた連れ合いが来タイ。久方振りに、夫婦水入らず

の共同生活がバンコクで始まったのですが、メイドさんの花を活ける習慣は、それなりに今も続いています。


 家内が東京に一時帰国して、暫らくバンコクを留守にする時があります。 そんな時は、野暮天の僕が嫌々

ながら花屋に出向くことになるのですが、生来の面倒臭がり屋の僕が、メイドさんや連れ合いのように、花を

部屋の中に活けることが出来る訳がありません。




 少しでも手数を少なくするために、僕が考えたアイディア(?)は、ミニ籠に入ったジャスミン、薔薇、露草、

小菊などを買い求めることです。  
上写真:1籠=20バーツから30バーツ 60円〜90円


 これならば、気に入った花籠を机上に置くだけでOK! 物臭の僕にでも簡単に出来るというものです。



この主題に関連するホームページ内の別の記事 

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 主題  初稿  改稿  HP編集略号
 @タイの花尽くし・タイの花に癒やされた単身生活(当該頁)  2009年7月24日  2011年3月22日  dookmai1.html
 Aタイの花尽くし・バンコクで見かけた花屋さん  2011年3月22日  2014年5月23日  flowershop1 .html
 Bタイの花尽くし・バンコクの造花売り屋台  2006年10月29日  2014年5月21日  zoukayatai1.htm 
 Cタイの花尽くし・タイ式生け花  2007年4月9日  2014年5月24日  ikebana1.htm 
 Dタイの花尽くし・バンコクで見かけた疑似春-1  2009年11月2日  2017年1月20日  thaispring1.htm
 Eタイの花尽くし・バンコクで見かけた疑似春-2  2009年11月4日  2017年1月20日  thaispring2.htm





読者の方から頂戴したコメント


 hiro-1からのお返し


■きれいですね
こんなに安くてきれいなお花ならたくさん飾りたいです。タイに行った時、子供たちが路上でお花を売ってたのを思い出します。
Rainbow 2008-07-24 00:40:06


■Rainbow さん
花の効用の素晴らしさに気付くのに・・・随分と時間がかかりました。
もったいないことをしました。
hiro-1 2008-07-24 14:00:04


■無題
カトレアはなかなかたくさん見れないので感動でした・・・とても安いんですね・・・(^O^)
makimari 2008-07-24 01:45:03


■makimari さん
僕は日本の花の事情が良く分からないのですが、カトレアはなかなか見ることができないのですか。知りませんでした。
hiro-1 2008-07-24 14:06:30 


■うらやましいです
どれも素敵な花ばかりですね。。。。私も詳しくはないですが、花が好きです。でも、 実生活で花を欠かさず飾るということはなかなか大変ですね・・・・。本当はどんなお花でもいいから飾っておくと心も豊かになれるんでしょうね。hiro−1さんが羨ましいです。
 2008-07-24 07:46:41


■楓 さん
住んでいる家の近くに、手頃な花を売っている露店があるのです。若し値段が高ければ考えてしまいますが、なんせ手頃価格なものですから、精神衛生のためと思って買っています。
hiro-1 2008-07-24 14:11:26 


■素敵ですね♪
タイに行くと花の豪華さとその割には値段が手ごろで驚きます。よくバンコクのホテル内でも売っていていますけど、誰が買うのかな?と思ったら宿泊している外国人の男性が「部屋に飾るんだよ」といって買うのを見てちょっと驚きました。1輪の花があるだけでも部屋の雰囲気が変わりますものね。私の部屋にはグリーンはあるのですが・・・花はなかなかなく・・・見習いたいです。
pan 2008-07-24 07:50:11


■pan さん
僕の寝室のカーテンは、緑色厚手のカーテンと、白色のレース・カーテンが二重になっているのですが、その前にピンク色の花を置いています。昼間の白色カーテン、夜の緑色カーテンにも映えていて、結構満足しています。
hiro-1 2008-07-24 14:20:47 


■良いお話ですね・・・!
お花があると気分もUPしますよね、私も見習わないと・・・(笑)。それにしても、切り花も良いですが、篭入りのミニバラやジャスミン の花が20バーツ、欄が50バーツとは!!安いですね〜、しかも凄く綺麗です。こんなのがあるなら、確かに飾らなきゃ損ですね!
レマ 2008-07-24 09:02:47 


■レマ さん
篭入りのミニバラやジャスミンの花は、手もかからず、気分も良く、それに経済的です。レマさんの仰るとおり、飾らなきゃ、損!損!です。
hiro-1 2008-07-24 14:24:23  


■笑む   
素敵な話ですね。女性たちの活躍を印象づけるような美しい花の写真でした。 そういえば、花が咲くことも、笑む といいますね。女性はそれが自然に分かっているのでしょうね。ジャスミンの花篭が机辺に欲しいです。なごむ気がします。 こちらは昨夜岩手で大きな地震がありましたが、幸い亡くなられた方はいないようで、ほっとしています。
今日の新宿御苑 


■今日の新宿御苑 さん
ポケット・カメラで気楽に撮った写真ですので、チョットばかりピンボケですが・・・手頃感が伝わればと思ってUPしました。タイは、どうしてこんなに花の値段が安いのでしょうか。チョット気の毒のうような気もします。
hiro-1 2008-07-24 14:35:42


■無題
とても素敵ですね。 生活っていろいろですね。
アメリカンコッカーラブ 2008-07-24 15:55:42


■アメリカンコッカーラブ さん
家外は雨季の雨と暑さで茹だっています。家の中で、花の香りを感じながら、読書をするのが一番です。
hiro-1 2008-07-24 18:34:25 


■綺麗ですね〜♪   
街中でも良く見かけましたが、暑さが先に来てじっくり見ることが出来ませんでしたが、hiro-1さんのお陰で沢山見れ癒されてます。
queen302 2008-07-24 17:54:02


■queen302 さん
老妻はブラブラ歩きが大好きですが、目的も無く歩くのが苦手な僕は、目指す場所に直行直帰です。
hiro-1 2008-07-24 18:43:15  


■そうなんですか
てっきり蘭だと思ってました。(タイ航空も蘭づくしなので・・・)ゴールデン・シャワーですか、今度見てみます。ありがとうございました。勉強になりました。
samantha 2008-07-28 12:38:11 


■samantha さん (国花)
下記の僕のBLOG(08年3月29日)でゴールデン・シャワー(金雨花) の写真をUPしていますので、時間のある時にでも御覧になって下さい。 http://ameblo.jp/hiro-1/entry-10083621472.html
hiro-1 2008-07-29 01:46:08 


■きれいですね。
お花は人の心を和らげて満たしてくれる、不思議な効果や魔力?がありますね。それは、色からも感じるし、香りからも伝わってくるのでしょうね。 私もいろいろなデザインの花を見るのが好きなんですが、タイは本当にお安いんですね。どんなに出世なさっても、部下の気配りがわかる上司の方に使えていた部下の方も幸せだったでしょう。 (って現在進行形?)キレイなお花の写真で私も癒されました。
nutshell 2008-07-25 01:42:42


■nutshellさん
既に過去完了です。僕に花の良さを教えてくれた人たちは、皆さん幸せな結婚をして、今も元気に仕事をしていますよ。
hiro-1 2008-07-26 01:19:23


■南国〜!
色鮮やかで美しい花々。南国ならではの豊富さですね〜(´∀`)見てるだけで癒されます!ジャスミンが忘れられず、いつもお花の定期便を買ってる花屋さんに「ジャスミンありますか?」と聞いたら「扱ってません」と言われました(x_x;) 残念。。。
亜門ちゃん 2008-07-25 05:43:15


■亜門ちゃん さん
それは残念でしたね。ジャスミンって、日本では余り売れ筋ではないのでしょうか。それとも育ちが悪くて小さすぎるとか。
hiro-1 2008-07-26 01:24:01


■高価な宝石よりもお花を頂くと嬉しいです。
お花は、見る人全てが癒されるじゃないですか。それにしても、日本の女性は宝石好きで呆れます。色が綺麗で、ブログ何度も眺めてます。もちろん、他の記事もですが。 いつも癒されてます。
ダヤン 2008-07-25 08:57:03


■ダヤン さん
こちらこそ、いつも勉強させて戴いています。神通第一の目連 (マゥドガリヤーヤナ)と智慧第一の舎利仏 (シャリプトラ)の話は、タイに来て初めて耳にしたことでしたが、ダヤンさんのBLOGでお目にかかるとは・・・ありがとう御座いました。
hiro-1 2008-07-26 01:43:16


■無題
きれいです☆私も凹んだときは小さなお花を飾るようにしています。お花があると和みますよね。ホントに。ジャスミンの籠、素敵ですね。あの香りが大好きです。
リコ 2008-07-24 10:35:45 


■リコ さん
ジャスミンの香りには催眠効果もあると聞いて、最近は運転席に置くことは止めましたが、それが本当ならば、寝室にはうってつけかもしれませんね。
hiro-1 2008-07-24 14:40:34 


■部屋が明るくなりそうですね(^0^)
ちょっと飾れる花かごは、すごくいいですね。日本にも花かご入りはあってもプレゼント用に高級なので、、、。タイが羨ましいです。
tomoyam 2008-07-24 12:53:59 


■tomoyamさん
日本でも、プレゼント用ばかりでなく、自分用の小さな花篭を売れば、
それなりに売れるのでは?と思うのですが。物みな高い日本では
無理なのでしょうかね。
hiro-1 2008-07-24 14:47:26


■とても感動素晴らしい花の香りが漂ってきそうです!o(〃^▽^〃)o 花のあり生活は心を癒し、浄化してくれそうな気がします☆ タイの色の鮮やかさは、花からの影響はあると思います。自然を感覚で受け止めることが 当たり前なのでしょうね。
みほ 2008-07-24 14:05:44


■みほ さん
タイの色の鮮やかさは花の影響! 自然を感覚で受け入れる! なるほど、そうかも知れませんね。いや、そうに違いありません。
勉強になりました。
hiro-1 2008-07-24 14:55:40 

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