HP開設の御挨拶

自己紹介

主題名別の目次 (年月日順)

花木名別の目次

トップページ


日が陰ると垂直、陽光が挿すと水平になる観葉植物   



HP編集略jasumin1.htm

和名:ジャスミン

英語名:Jasmine タイ名:ドークマリ
改編:2016年7月1日 初稿:2008年8月12日 撮影:バンコク



 昨晩の八時から九時にかけてのタイのTVは、どのチャンネルもシリキット王妃の誕生日を祝う前


夜祭でもちきりでした。シリキット王妃は、前夜祭の催しの中で、およそ一時間余りをかけて、国民


、公務員、政治家、軍人に語りかけられる習わしになっています。 



 シリキット王妃のスピーチが始まると、北京オリンピックの報道も何もかも全て停止され、全てのテ


レビ局が、王妃のスピーチ場面を一斉に中継します。



シリキット王妃の76歳の誕生日を祝う衝立 (西暦2008年)



 今年のシリキット王妃のスピーチ内容は、タイ北部の森林伐採と環境悪果、東北地区の農業衰退


、南部の宗教的対立、福祉活動の必要性、若者の歴史知識の欠如、独自の芸術文化の育成など


等、その範囲は多岐に渡っていました。



 王妃は、手元原稿の棒読みをすることなく、寧ろ、意識的に原稿から逸脱されて、御自分の考えを


、御自分の言葉で、時には冗談を挟みながら、明瞭な言い回しで丁寧に話されます。 政治家や


評論家の話すタイ語は半分も理解できない僕ですが、王妃や国王のスピーチであれば、おおよそ


理解できるのは、一語一語噛みしめるように明瞭にお話になるからだろうと思います。



 日本の皇室が、このような話題にまで踏み込んで、一時間余りもかけて原稿なしでスピーチをされ


ることは無いと思いますが、タイでは、国王も王妃も、ご自分の考えを積極的に発言されることが


少なくありません。 僕がタイを好きになった要因の一つでもあります。



王妃の肖像写真に献じられたジャスミンの花飾り


 王妃誕生日(8月12日)は “ 母の日 ”として、国王誕生日(12月5日)は、 “ 父の日 ” として国民

の祝日に制定されています。 王妃の誕生月日を“ 母の日 ” として制定することは・・・不遜な疑問

かも知れませんが、王妃さまが変われば“ 母の日 ”の月日も変更になるわけですね? と随分前

にタイ語の先生に質問したところ、変顔をされてしまいました。


その時は、『 タイって変わった国だな・・・ 』 と思ったのですが、後日になって、第二次世界大戦が

終了する前までの日本は、現在のタイ王国と同じように、“ 皇后陛下のお誕生日を母の日 ” とし

ていたことを知って驚いたものでした。 現在の五月の第二週の日曜日を母の日とする日本の風

習は、敗戦後に進駐して来たアメリカ人が持ち込んだスタイルなのだそうです。


いずれにしろ、昨晩から今日にかけてのタイは、“ 王妃のお誕生日 ” と “ 母の日 ” を盛大に

祝うムードに包まれていました。全国の彼方此方に、王妃のシンボルカラーである “ 水色 ” をあし

らった王妃旗、王妃の紋章などが飾り付けられ、夜ともなるとイルミネーションが点燈します。


王妃の青旗、タイ国の三色旗、国王の黄旗 シリキット王妃の青色紋章


 タイの一般家庭では、家族から母親に “ 八重のジャスミンの花 ” と “ お母さんを愛する”(ラック・メー  )

と書かれた愛情カードが贈られます。因みに、国王誕生日である “父の日 ” に贈られる花はカンナの花と

されています。


 聞くところによると、最近は、八重咲きの白ジャスミンの生花の入手が難しく、造花が多くなっているとの

ことでした。王妃様の肖像写真の前に飾られた花飾りの白花も、よく見ると、八重のジャスミンを形どった

造花でした。



八重咲きのジャスミンの花


 前期高齢者に属する僕は、生前の母親に対して 『 お母さん、ありがとう 』 と言った憶えはありますが、

『 お母さん、愛しているよ 』 と言ったことは一度もなかったように思います。


 しかし、タイの人々は、老若男女を問わず、『 お母さん、愛しているよ 』(ラック・メー  ) というストレート

な表現を素直に発します。 国王に対しても、『私達は 王様を愛する 』(ラオ・ラック・ナイルアン )という

表現を多用します。


 一方、日本人の僕はといえば、決して皇室を蔑ろにしているわけではないのですが、生まれて此の方、

ただの一度も 『 天皇を愛する 』 と口に出して言ったことも、心中深く呟いたこともありません。僕にそ

のような心情が薄弱なのか、そのような教育を受けなかったからなのか・・・



八重咲きのジャスミンの蕾と花


 余談になりますが、北京オリンピックの女子重量挙げで金メダルを獲得した ノーン・ゲー嬢は、魚肉団子

(ルーク・チン)を屋台で売って生計を営む家庭の娘さん(24歳)ですが、母親の提案に従って、自分が

取得した金メダルを、王妃に喜んで献上したいと申し出たそうです。


 王妃を心から崇敬し、両親を愛してやまない気持ちをストレートに表現するタイの人々を見るにつけ、

何とも中途半端な僕自身に気付かされる一日となってしまいました。


 ジャスミンは、香水用の花としても知られていますね。伝え聞くところによりますと、バラが “香水の女王”

とすれば、香りの強まる夜間になって摘み取るジャスミンの花は、“香水の王女” とでも呼べば良いので

しょうか?


 僕が北京駐在の時、中国人(満族)の秘書が、一日に何度も薫り高い“茉莉花茶” (モーリーホアチャー)

をサービスしてくれたのを思い出しました。 北京の人は、緑茶にジャスミンの花を混ぜた茉莉花茶が大好

きなのだそうです。

茉莉花の植物分類名
 和名  マツリカ(茉莉花) 
 別名  アラビヤ・ジャスミン
 英名  Jasminum sambac 


             左:マツリカ (アラビヤ・ジャスミン)Jasminum sambac
             右:タイ名:ドーク・ケーオ (一重のジャスミンの花)


 上掲写真の一重の花も花輪に使用されると思っていたのですが、パヤーンさんから、一重の花が花飾り

やネックレスに使われることはないとのコメントを頂戴しました。




《 植物名分類 》
 科名  モクセイ科
 亜科  −
 属名  Jasminumソケイ属  素馨属  約300種 
 学名  Jasminum L.
 種名  −
 タイ名  マリ
 和名  ジャスミン
 別名  茉莉、 素馨
 英名  Jasmine
 分布  −
 性状  −
 花色  −
 花言葉  純愛花、愛





読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■無題いつも素敵な写真に癒されています
ありがとうございます^^
makimari 2008-08-12 20:22:54


■makimari さん
こちらこそ、いつも楽しく読ませて頂いています。
hiro-1 2008-08-13 05:17:19


無題むーん。本当にタイの人々って、徹底的に王様たちが好きなんですね。それって、「教育」の力も大きいのではないでしょうか・・・。どっちにしても、みんなが納得できる人が存在しているということは、いいことかもしれない・・・とも思います。
シャンティcoco 2008-08-12 22:47:52

 

■シャンティcoco さん
教育効果は絶大だと思いますが、教育上の話だけでなく、実行を伴っているからこそ、受け入れられているのだと・・・僕は思っているのですが。
hiro-1 2008-08-13 05:11:17


■ジャスミンについて
またまた、あげ足とりのようなコメントで気が重いです。
Jasmineと名のついた植物は、何種類もあるようですが、タイで、一般的に「ドーク・マリ」と呼ばれている花は、『王妃様の肖像写真に献じられたジャスミンの鉢植えと花飾り』の写真に写っている花ですね。

 『一重のジャスミンの花』の写真の花も、英名では「Orange Jasmine」と呼ばれているようですが、タイでは、「マリ」ではなく、「ドーク・ケーオ」などと呼ばれているようです。この花も香りはいいのですが、花飾りやネックレスに使われることはないようです。 ちなみに、北タイでは、「ドーク・ケーオ」は、艶のある厚手の葉もきれいで、生垣などに利用されることもあるようです。
payarn 2008-08-12 23:32:28


■payarn さん
タイ人から聞いたマリが頭につく花の名前は13種類あったように思いますが、代表的なものとしては、学名:Jasminum sambac、英名:Arabian Jasmineの八重、半八重、一重だと教わりました。タイ語では、一重咲きをマリラー 、八重咲きをマリガーと呼ぶように聞いたのですが・・・聞き間違えかもしれません。チェックしてみます。ありがとう御座いました。
hiro-1 2008-08-13 05:06:03

inserted by FC2 system