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可哀想な名前のニンニクカズラ  



HP編集略号:manaopi1.htm

和名: −

英語名: - タイ名:マナーオピー
改編:2017年3月19日 初稿:2011年7月21日 撮影:バンコク


 2011年4月、バンコク郊外の公園内に植栽されている高さ3m前後のマナーオらしき果樹に

熱心にカメラを向けている学生風のタイ人男女がいました。


 マナーオとは、タイ料理の酸味と香りを出すために欠かすことの出来ないタイ特産の柑橘類

です。タイ料理のソムタム(パパイヤ・サラダ)を食された方ならば、タイ独特のあの酸味を、

きっと覚えておられるに違いありません。


3mにも達しない低木の其処彼処に小さな花蕾が見えます。


 ところが、目の前にある低木に付けられている標識板を見ると、マナーオではなく、

マナーオ・ピーと書いてあります。直訳すると、『お化けのマナーオ』となるのですが、

いま一つ意味を理解できません。


 香りの良い花弁の径は5cm前後あります。


  接写レンズでマナーオ・ピーを撮っていた学生風のタイ人男女に訊いてみました。

     僕    『 お化けのマナーオってどんな意味ですか? 』

     女性  『お化けって、本当に怖そうな名前ね!』   
                               
     僕    『 どうして幽霊のマナーオって言うの?』

     女性  『 冗談を言って御免なさい・・・あのう・・・ 』

     男性  『 マナーオのように見えるけど、実はマナーオではないのです』
        
     女性  『 はい、外見はマナーオでも、実は水分が無くて不味いのです 』


 マナーオに似ていても、味はとても不味いそうです。


 彼の説明によると、タイには、『 マナーオ・マイ・ミー・ナーム 』 と言う慣用句があるようです。

慣用句を直訳すると、単に “水分の無いマナーオ”となりますが、慣用句としての意味は、

『 何の愛想もないぶっきらぼうな 』、『 木で鼻を括ったような 』のような意味合いになるの

だとか。 マナーオ・ピー(幽霊のマナ−オ)は、それほど酷い味と言うことなのでしょうか?




緑色の果実がミニ・トマトの色に化けてしまいました。


 アレッ!? マナーオにそっくりだった緑色の果実が・・・どうしたことでしょう、ミニ・トマト

に変身しています。これを見て、漸くにして、マナーオ・ピー(幽霊のマナーオ)の名前に

合点が行きました。 ピー(幽霊)とは、“ マナーオに化けていた果実 ” と言う意味だった

のですね。

 後日、植物学上の名前を調べると、科名はマナーオと同じミカン科でも、学名と属名は

明らかに異なっていました。


       マナーオ・ピー(マナーオ擬き)          本物のマナーオ  
  学名  Atalantia monophylla (DC.) Correa   学名 Citrus aurantifolia Swing.
  
  科名  Ructaceae ミカン科             科名  Rutaceae
  
  属名  Atalantia Correa              属名  Citrus


 本物のマナーオの用途は食材ですが、マナーオ・ピーの用途は、観賞用庭木の他に、

実と葉から抽出するオイルは、慢性関節リウマチの治療薬、麻酔薬、皮膚病薬、呼吸器

疾患薬、葉は下剤止薬としての効用があるのだそうです。


 “ 幽霊 ”なんて怖そうな名前ではなく、もっと感謝の気持ちを込めた名前を付けてあげれ

ば良いのにと思いつつ、日本語名を捜したのですが、何も分かりませんでした。




 
 読者の方からのコメント

 
 hiro-1からのお返しコメント


■お久しぶりです!!
ブログ再開、とっても嬉しいです!ずっと心待ちにしていたのですよ。HPもお気に入りに登録させて頂きますね。マナオ・ピー、面白い果実ですね。
リリス 2011-04-24 19:42:47


■リリスさん
リリスさんのインド記事と写真を見ながら、数年前のインド旅行を懐かしく想い出しています。HPを登録して戴きありがとう御座います。今後とも宜しく御願い致します。
hiro-1 2011-04-24 23:59:10


■慣用句
面白いですねその言葉で、そう言う意味になるのですね。実に面白いです。
今度、それに相応しい人と出会ったら、言ってみようと思います。きっと、感心されて、私の立場も良くなると思われます(笑)。今後も、ブログの更新を楽しみにしています。

ポードクマリ
2011-04-23 23:37:05


■慣用句
面白い慣用句を覚えさせて頂きました。マナーオ・ピーも色々応用できそうですね。通じるか通じないか、早く使ってみたいです(笑)。
ポードクマリ 2011-04-22 23:27:48


■ポードクマリさん
この慣用句を人に使うと嫌な顔をするかも?。人に使うならば、マナーオ・クロム・マイ・ミー・クライ・クルンの方が良いのではないかと?

直訳すると、“誰も研磨しないのにマナーオは丸い“”ですが、慣用句としては、“目から鼻に抜けるくらい賢いので教える必要がない”、或いは、“良家の育ちの良さが身に具わっている”となるようです。

hiro-1
2011-04-23 01:28:02


■お久しぶりです
ブログ再開楽しく拝見しております。マナオピー初めて聴きました。ナーグルワではないですね(笑)

ささらさらら
2011-04-22 18:26:29


■ささらさららさん
日本の報道規制のナーグルワと比べれば、マナーオ・ピーのナーグルワの程度なんて可愛いものですね。
hiro-1 2011-04-22 19:37:03


■名無しには
和名の無い植物が多いですが、かって外地の植物で戦前に有用でないと思われたものは和名では無名が多いです。で、勝手に名づけましょう、好きな名前を。日本に無いなら早い者勝ちです。これって日本名が無いのでこう呼んでるのって。バンコクの100人1000人の日本人が同じ名前で呼んだらもう和名です。
ドリアンマサト 2011-04-21 22:37:30


■ドリアンマサトさん
そう言うことであれば、敢えて日本語名を付けることなく、タイ語のマナーオで呼ぶことにしましょう。そのほうが何かと実用的ですね。
hiro-1 2011-04-22 02:31:25



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