HP開設の御挨拶

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紫陽花はアジサイに非ず



編集略号orapim1.htm

和名: −

英語名: − タイ語名:Oraphim,
改編:2014年5月17日 初稿:2012年5月16日 撮影:バンコク シリキット公園


 2011年の12月5日、バンコク郊外のタイ国王妃の名前を冠した公園内を、連れ合いと

一緒にカメラ散策していると、花木の成長状況をカメラで撮影していた顔見知りの公園管理

の女性から声を掛けられました。



タイ国のシリキット王妃の名前を冠した公園 


女性  『 カメラを抱えた日本女性が向うにいるけど、あなた方夫婦の友達なの? 』

 『 そうですか。でも知らない人だと思います 』



 葉影に隠れた天国の花 ( ブア・サワン ) の撮影に夢中になっていると、潅木の向う側から、

『 早くこっちに来て! 』 と僕を呼ぶ連れ合いの声がします。撮影を中断してその方向に進むと

、家内が背高のにこやかな女性と話をしています。


 連れ合いに 『 この方が何方か分かる? 』と聞かれて、一瞬言葉に詰まりましたが、花ブロ

グを書いておられる方のID名が閃めいて告げると、ピッタシ・カンカンでした。 


 公園管理の女性が言っていた日本女性とは、彼女のことだったのですね。聞けば、彼女も

公園管理のタイ女性から僕たちのことを告げられ、ひょっとしたらアメブロのhiroi-1 夫妻では

ないかと想像されていたとのこと。7百万人が住むバンコクで、このような予期せぬ嬉しい出会

いは大歓迎です。




天空に向かって咲くイバラ科の大きな白花


 初対面の彼女と挨拶を交わして別れた直後だったと思いますが、ドーム型支柱に巻いて

咲いているイバラ科の白花に気付きました。今まで一度も見たことのない直径20cmは

優にある大きな白花です。



見れば見るほど、大女優のような風格がそなわった大きな白花


 公園内の此の辺りは、今までも何度も歩いたことのある場所ですが、開花時期を外して

いたのか、この白花の存在に気付いたことは一度もありません。このようなチャンスを

得られたのも、偶然に出合った彼女のお蔭ですね。




白花の花弁に似つかわしくないような茶色の蕾


花木にぶら下げてある分類標識には次のように記されています。


 科名  Leguminosae−Ceasalpinoideae    マメ科のジャケツ・イバラ亜科
 学名  Bauhinia winitti Craib  バウヒニア・ウイニティ・クライブ
 タイ語名   Oraphim  オラピム


 植物分類体系の知識は薄いのですが、Leguminosae−Caesalpiniaceae の如き表記からすると、

此の公園の分類体系は、クロンキスト植物分類(1980年代の体系)ではなく、1870年代に提唱さ

れた新エングラー植物分類体系なのでしょうか? 個別の科としてではなく、亜科として捉える

新エングラー体系は、 些か苦手ですが、マメ科のジャケツ・イバラ亜科の特徴をピックアップして

みました。


蔓性のものが多く、熱帯・亜熱帯に150属2200種ほどが分布。
花は左右相称、5枚の花びらが大きく開いて目立つものが多い。
葉は単葉または羽状複葉。
果実は豆果



陽光の陰りに よって、オラピムの単葉2枚が折り畳むようにして閉じます


 オラピムの葉は、長さ5-6p、幅4-5cm 程度の単葉(上写真)ですが、陽光が翳ると、

カーロンと同じように、2枚の単葉を折り畳むようにして閉じます。



白花が散ると、豆果なので莢果(きょうか)がぶら下がります。


 大きな白花が散ると、幅5cm、長さ20-25cm の莢果(きょうか)がぶら下がります。莢果

が成熟して内外の両縫線が開裂すると、種子が勢いよく周囲に飛び散ります。


 故冨田竹ニ郎氏の 『 タイ−日・大辞典 』 に次のような記述がありました。

タイ人の Mr.Phraya-winitti-wanandon がミャンマーと国境を接するカーンチャナーブリー

県の森でこの植物を発見。この花木の登録をした W.G. Craib 教授は、発見者の名前の

winitti と自分の名前 Craib を付けた学名を登録した。発見年は仏暦2467年とありますの

で、 西暦1924年(大正13年) の事になります。



西暦1924年、世界で初めてタイ国内で発見された新種のオラピム!


 この花木は、タイ人の名前によって学名が構成されている極めて稀なケースです。植物

の世界情報を検索しても、属名も英語の通称名すらも得られなかったわけです。 

判明したのは、下記の学名と科名(亜科)、そしてタイ語名だけでした。


 学名  Bauhinia winitti Craib  バウヒニア ウイニティ クレイブ
 科名  Leguminosae−Ceasalpinoideae   ジャケツイバラ亜科
 タイ語名   Oraphim  オラピム、別名 khiwnaang キウナーン


 花ブログを書き始めて5年前後だと思いますが、こんなにも情報の乏しい花木は初めての経験です。

それでも、タイで発見され、タイ人の名前を冠した学名の花に出逢えたのですから、嬉しい限りです。


 オラピムの花の近くで初めてお会いした女性ブローガーは、その後のブログ情報によると、肩の靭帯

を痛められてリハビリ中の御様子です。 完全に快癒された元気なお姿を、いつの日にか、王妃公園

の中でお見かけしたいものです。最近の我々老夫婦は、オラピムの花の近くで出逢った彼女を話題に

するとき、いつしか、『 オラピムの彼女 』 と呼びようになりました 





読者の方から頂戴したコメント


hiro-1 からのお返しコメント


■大きな木も驚きました。
実はあのあと、いつこの花のことを書かれるかしらと 思っていたんです。 私は
追及して調べることもできないし、 綺麗だなーで満足することが多い(?)ので。
タイで発見された種だったなんて!調査ありがとうございました。 ところで、またその後に気がついたのですが 別の場所に、この大木があるのです。 ロットファイ公園との境の川のそばです。 花の時期だと花びらがたくさん落ちているのでわかります。
夏のそら 2012-05-17 13:44:42  


■Re:夏のそらさん
この花を書くのが遅くなった理由は、調べても何もからなかったからですが、考えてみれば、分からないことも記事の一つだと考えて書き残して置くことにしました。  もう一つ、在処を教えて戴いた植物で掲載していていないのがあるのですが、近日中に書いてみたいと思っています。
hiro-1 2012-05-17 17:36:35


■出会い
ブロガーさんとお会いする時って、なんかワクワクしますよね。ブログを始めて何人かの方にお会いしました。 ブログの感覚そのものだったりする人もいれば、
え〜、この人が、と思うこともあったり・・・・。突然会ったブロガーさんに、私もブログをやっているんですよ、と言ったら、 ワイワイさんでしょ、と言われた時はびっくりしました。 なんでわかるんでしょうね、と思いました。 出会いが増えて楽しいです。
ワイワイ 2012-05-22 11:05:17  


■Re:ワイワイさん
図しない偶然の出逢いは嬉しいものですね。 逆に、逢いたいと申し込まれたときは・・・ 正直に言って、躊躇する時もあります。
hiro-12012-05-22 16:26:42 

 
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