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久しぶりに見た紫有明蔓



HP編集略号renge1.htm

和名:レンゲソウ(蓮華草)

英語名: タイ語名:
改編:2014年12月5日 初稿:2008年3月15日
撮影:タイ各地


 僕が小学校の低学年だった頃の遊び場といえば、田圃の間を格子縞模様のように走る農道でした。

大人の目から見たら、畦道よりも少し幅広い程度の小道だったかもしれませんが、当時の僕には、

夢いっぱいの遊びスペースが続く広大な野原に見えたものです。


http://stat.ameba.jp/user_images/c2/d1/10053396758_s.jpg
日本の野原を思い出させるタイ北部の村


 雪が溶けて春が訪れると、野原に 『 レンゲ草 』 の花が芽吹き始め、やがて紫紅色の花畑に

変化します。 国語、算数、理科よりも、写生が大好きだった僕は、下校すると、12色のクレパスと

画板を抱え、毎日のように、飽きることもなく野原に通い、日が暮れるまで過ごすのが大きな楽しみ

でした。


 当時は、休耕田の雑草防止のために 『 レンゲ草 』 の種を蒔いていたようですが、今は、化学肥料

の普及で、このような懐かしき春の風物詩は、消え失せてしまったようですね。


 (ウイキペディアより拝借)


 幼かった脳裏に刻み込まれた 『 レンゲ草 』は、漢字表記で『蓮華草』と書くことを知りました。

蓮華と言うことは・・・・・・ハス科(蓮科)の仲間? そんなことはないですよね。


 植物資料を調べると、幼い僕が見た 『 レンゲ草 』は、マメ科の 『 ゲンゲ属 』でした。

『 ゲンゲ属 』とは耳慣れない響きでえすが、漢字では 『 紫雲英 』と書くのだそうです。


 レンゲ草の紫紅色の花が辺り一面に咲き誇ると、紫雲がたなびくように見えることが

『 紫雲英 』(ゲンゲ)の語源とか。 『蓮華』は、ハス科の蓮とは全く異なる植物でした。


蓮池の切り絵  (作:村上 保氏) 


 野原に 『 レンゲ草 』 (紫雲英 ゲンゲ)が咲く頃になると、『 ♪ ひらいた ひらいた ♪ 』 と唄いな

がら、男の子も女の子も一緒に手を繋いで輪になって広がり、『 ♪ つぼんだ つぼんだ ♪ 』 を

唄う時は、身体をすぼめるような仕草をして中央に集まる遊戯がありました。久しく耳にしていま

せんが、今も唄い継がれているのでしょうか? 


題名:ひらいた ひらいた (作:合田道人)

開いた 開いた 何の花が開いた レンゲの花が開いた

開いたたと思ったら いつのまにか つぼんだ

つぼんだ つぼんだ 何の花がつぼんだ レンゲの花がつぼんだ 

 
つぼんだと思ったら いつのまにか 開いた



 『 ♪ れんげの花がひらいた ♪ 』 は、野原に咲く レンゲ草の童歌と思っていました。しかし、

合田道人氏の表現意図は、野原に咲く 『 レンゲ草 』の可憐さを讃えたのではなく、当時の

貧しくて苦しい生活の中で困窮する庶民を励ますことにあった・・・という解説を見て吃驚です。



萎んだ花は、必ずいつか開く!

苦しみから逃げ出すことなく、諦めることなく、

夢を持って乗り越えよう !



 この歌の中で歌われているレンゲ草は、野原に咲く マメ科のゲンゲ属のレンゲ草ではなく、泥水の沼底

から、水中を突き抜けて緑の葉を開き、花を咲かせるハス科の蓮華を意味していたのです。



http://stat.ameba.jp/user_images/88/ee/10052873865_s.jpg http://stat.ameba.jp/user_images/2d/e0/10053401556_s.jpg
シーロム通りで見たハスの蕾 ハスの蕾を手に仏陀に祈る女性


 極楽浄土を表す 『 蓮池 』 、盧舎那仏とその化身の釈迦仏が坐する 『 蓮華座 』 の世界に

みんなで一緒に生まれ変わって住みましょうと唱和する仏教歌のようなものだと思われます。

タイや日本の寺院の境内に蓮池が多いのも、これと同じ思いから生まれているのでしょうね。


http://stat.ameba.jp/user_images/b2/cb/10053401555_s.jpg
蓮華座に坐するプラ・プッタ・チナラート像
 (ワット・ベンチャマポにて)


 『 ハスの花 』の代表的な花言葉は、神聖、沈着、休養、雄弁などですが、『私を救って下さい』、

『私の苦しみを和らげて下さい』の意味もあるようです。


 童歌の『ひらいた ひらいた 』は、仏教世界の『蓮花』のことでしたが、幼かった頃に僕が親しん

だ野原のレンゲ草は、仏教花とは関係ない『 紫雲英』(げんげ)の花だったというお話でした。


 そう言えば、昔々の話ですが、『 手に取るな やはり野に置け レンゲ草 』と揶揄された保守派

の政治家がいましたね。




この主題に関連するホームページ内の別の記事 (主題をクリックすると該当頁に移ります)

 主題  初稿年月日  改稿年月日  HP編集略号
 スイレンですか? ハスですか?  2008-3-12  2014-12-5  hasu1.htm
 1/2: タイのハスは祈りの花  2008-8-6  2014-12-5  hasu2.htm
 2/2: タイのハスは祈りの花  2008-8-8  2014-12-5  hasu3.htm
 ハスの実の味覚は?  2009-8-14  2014-12-5  hasu4.htm
 野に咲く蓮華草は蓮ですか?(当該頁)  2008-3-15  2014-12-5  renge1.htm
 スイレンは、水蓮ではなく、睡蓮と書くなり!  2008-3-14  2014-12-5  suiren1.htm
 水溜まりに浮かぶ睡蓮  2009-9-25  2014-12-5  suiren2.htm
 大鬼バスの浮かぶ光景  2009-9-24  2014-12-5  ooonibasu1.htm
 京都植物園で観た大鬼蓮  2013-11-12  2014-12-5  ooonibasu2.htm






読者の方から頂戴したコメント

hiro-1からのお返しのコメント

■インドに行ってきます!
4月に母親とタイに…とも思っていたのですが、結局ひとりでインドに行ってきます! スケジュール的にはタイのほうが良かったのですが…また今度です。タイもいいですよね。 記事を読むたびに行きたくなります。
もんきぃ・さとう 2008-03-15 21:17:52

 

■もんきぃ・さとうさん
インドですか!羨ましい!近いうちに、僕も行く予定ですが、現在は只管インドの知識を仕入れています。

hiro-1 2008-03-16 04:39:50 


■こんにちわ!素敵なブログですね!
パソコン入力が得意な方はチャレンジしてみてください!(-_☆)キラーン
最近作ったばかりですが、宜しくお願いします!
あやな 2008-03-15 15:32:24 


■あやなさん
御覧頂きありがとう御座います。今後とも宜しくお願い致します。
hiro-1 2008-03-16 04:28:16 


■レンゲの花が開いた
これもハスだっったんですか!今日もまたまた勉強になりました。感謝です。
ちゃおぷらやん 2008-03-15 15:35:19


■ちゃおぷらやんさん
あの童歌が蓮の花だったなんて、僕も驚きました。
hiro-1 2008-03-16 04:29:55 


■蓮華草

義父は肥料にするため、養蜂家の蜜集めに協力するために蓮華草の種を田に撒きます。 私も小さな頃は蓮華草の花びらを取って蜜を吸うのが学校帰りの楽しみでした(^-^)
bairin24 2008-03-15 19:54:56


■改めて
 昔の人達の想像力の豊かさを思い知らされます。
 bairin24 2008-03-14 12:59:55


■bairinさん
ゲンゲが養蜂家の蜜集めに効果的というのは聞いていましたが、今でも続いているのですか。知りませんでした。
hiro-1 2008-03-16 04:32:52


■蓮華&れんげ
少女期より枯野、朽木、病葉、石、岩、野草に心惹かれる傾向があった私は、拝読して追憶の中に・・・。拝読するたびに多様で面白く、深く、温かいブログに
いつも心が和みます。ファンが多いのも頷けます!!
がかか 2008-03-15 20:26:14 


■がかかさん
追憶に浸っていただけて嬉しく思います。 そろそろ種切れで困っているのですが・・・
hiro-1 2008-03-16 04:36:35


■素晴らしいね
題名:♪ ひらいた ひらいた ♪(作:合田道人)この詩は子供の頃歌って、僕も知っていました。でも深い意味を貴方のブログで初めて知りました。素晴らしい内容です。有難う。
ofuk-286s 2008-03-15 23:19:33


■ofuk-286sさん
僕も調べていて、偶然分かったのです。お役に立てて嬉しく思います。
hiro-1 2008-03-16 04:42:30



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