2007年2月、バンコク東隣のチョンブリ県のナグルア海岸に建築中の奇妙な木造建物
を訪れました。巨大な木造建築物にも拘わらず、釘は一本も使用されていないそうです。
タイ語名: 『 プラサート・マイ・サッジャタム 』 (真実の聖域)
英語名:、『 Sanctuary of Truth 』
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プラサート・マイ・サッジャタムと呼ばれるも木造建築 |
屋根の頂き、外壁、内壁、軒に到るまで、手作りの大きな木造彫刻が組み込まれていて、
一種独特の雰囲気を醸し出しています。
建設開始は西暦暦1981年、現在の完成度は60%、完成予定は2020年らしいのです
が、実のところは、建築資金の寄付の集まり次第ということもあって、完成まであと何年かか
るのか、誰にも分からないのだとか。
冒頭から、話が横道に逸れてしまいました。今日の主題は、木造城郭ではなく、この建築
現場に自生していたサンセベリアの話です。 建築資材置き場に、サンセベリアの白蕾が
微かに蜜の匂いを漂わせていました。 ザンバラ髪のような枯花に見えますが、サンセベリア
の花と蕾に間違いありません。 |
ゴミ捨て場で咲いていたサンセベリア・シンドリアの花 右2枚写真:日本園芸店のHPより拝借 |
日本の園芸店のサンセベリアと建築現場のサンセベリアの花と蕾を比較すると、当然のことですが、手入れの行き
届いた日本園芸店の方が遥かに美しいですね。
プラサート・マイ・サッジャタムに通じる資材通路にもサンセベリアが残っていました。さきほどの資材置き場の
サンセベリアよりは、少しばかり見てくれも良さそうです。(下写真)
肉厚緑葉に濃淡横縞模様があるので、英語圏では蛇の胴体を想像して 『 Snake Plant 』、タイでは龍の舌を意味
する 『 Lin Mangkoon 』 、日本では虎の尻尾の縞模様から 『 トラノオラン 』(虎の尾蘭)の俗称で呼ばれているそう
ですね。 |
日本名:虎の尾蘭 (別名:厚葉千歳蘭) に取り付いていた橙色の丸い実 |
サンセベリアの実は、日本の温室栽培だと容易に芽吹くのでしょうか?土壌からロゼット状の板葉
群が直立状に伸びていますが、根元を見ても、板葉を支える茎が何処にも見当たりません。資料に
よると、地下で横方向に伸びる茎から板状葉が地上に突出するとか。これが 『
根出葉 』(こんし
ゅつよう) で、龍舌蘭科の特徴なのだそうです。
ところで、上写真のサンセベリアの穂状に生った根出葉の中に、橙色の小さい実が幾つも付いて
いるのにお気付きでしょうか?実は、サンセベリアに橙色の実が生っている姿を初めて見ました。
白花のほかに黄や桃色の花が咲く種類もあると聞いていましたが、橙色の小さな丸い実が、この
ように幾つも実るとは知りませんでした。 |
白い花蕾は、蜜のような匂いを微かに漂わせていたのですが、橙色の丸い実には、風下に回って
意識的に嗅いでも香りがありません。 厳冬季の日本の野外で、サンセベリアを楽しむことは難し
いと思いますが、常夏のタイでは、サンセベリアの横縞の緑葉を1年を通して目にする事が出来ま
す。 |
学名 |
Sansevieria trifasciata |
科名 |
リュウゼツラン科 (Agavaceae) |
属名 |
チトセラン属 ( サンセベリア属) |
和名 |
トラノオラン (虎の尾蘭)
(別 名) アツバチトセラン ( 厚葉千歳蘭 ) 、サンスベリア、チトセラン、トラノオ、 |
英名 |
Snake Plant (蛇のようなクネクネ縞の植物) |
タイ名 |
Lin Mangkoon(リン・マンコーン =龍の舌)、Lin=舌、Manngkoon=龍 |
性状 |
常緑多肉多年草 |
分布 |
アフリカ、南アジアの乾燥地帯 |
花言葉 |
永久、不滅 |
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