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寒季に咲くタイのヒマワリ



HP編集略号sunflower1.html

和名:ヒマワリ

英語名:Sun Flower タイ語名:Dook Thaan Tawan
改編:2011年3月25日 初稿:2006年11月27日 撮影: タイ国 ロップブリー県


 バンコク北方150kmの地点にある仏足跡寺院(サラブリ−県)に車を走らせていると、国道の

鉄道線路脇に立て掛けられたヒマワリ畑の宣伝看板が目に留まりました。 


   『
サラブリー県の野原一面に美しく咲くヒマワリをお楽しみ下さい

   『
期間:仏暦2549年10月から仏暦2550年4月まで 』 (注)

   (注) 仏暦2549年=西暦2006年   仏暦2560年=西暦2007年


 毎年11月頃になると、タイ国鉄と観光会社がタイアップして、全席完全予約制のヒマワリ列車が

仕立てられ、欧米や日本の駐在員家族やタイ人家族が大挙して訪れるという話は耳にしていた

のですが、団体旅行が性に合わない僕は、今まで只の一度も訪れたことがありません。


   『
せっかくだから、ひまわり畑に行って見たい!


連れ合いの一言で急遽予定変更、ヒマワリ畑に立ち寄ることにしました。 



サラブリー県仏足跡寺院 ひまわり列車宣伝看板 向日葵畑入り口 入場料10バーツ(約30円)


 道に迷いながら最初に辿りついたゲーン・コーイ郡のヒマワリ畑は、開花時期が遅れていたので

パス。 近隣のパッタナー・ニコム郡のヒマワリ畑まで足を伸ばすと、道路に沿ってテント張りの

屋台が連なり、その真ん中辺りにヒマワリ畑の入口(Thaang Khaao Thung) を示す赤字のタイ語

看板を発見。入口を徒歩で通り抜けると、黄金色に染まるヒマワリの風景が奥深く何処までも広

がっています。


   “
ひまわりの  空かがやけり  波の群 ”     詠み人:水原秋桜子


 日本のヒマワリは夏の季語ですが、タイのヒマワリは、11月〜1月の寒季(乾季)に咲きます。

寒季ともなると、タイ人は、『 ナーオ 』 (意味:寒い) と言って、大仰に背中を丸めますが、日本人に

は、この時期の朝、夕、夜の気温が、日本の秋季のように思われて快適です。


 寒季のヒマワリ畑で遊ぶタイ人の老若男女の心情を慮ると、こんな句になるのでしょうか?


   “
ひまわりの  寒けき波に 暖の色 ”     詠み人:hiro-1


水原秋桜子さんの名句を、低レベルの句で茶化してしまい心苦しい限りです。



畑を埋め尽くす向日葵の波 茎高 1.5m〜3m、 花直径 20cm〜30cm


 ヒマワリと言えば、先ず思い浮かぶのは 『 太陽 』 ですが、貝原益軒の『 大和本草 』(1790年)には、

“ 日マハリ ”、“ ヒュウガアオイ ” とあるそうです。


 ヒマワリの植物分類上の属名である “ Helianthus ”は、ギリシャ語の Helios  (太陽) とAnthony(花)

の合成語だそうです。 タイ語名のドーク・ターン・タワンの意味は、“ 太陽を食べる花 ” となります。


  
 (注) ドーク=花  、 ターン=食べる  、 タワン=太陽  


 ロシアの国花は、チョット意外ですが、ヒマワリでした。ロシア語のヒマワリは、『太陽の下にある花』と書く

のだそうです。 太陽光に恵まれない北極圏に接する国家の国花が如何してヒマワリなの?と思いますが、

ペテルブルグの郊外には、種子を食用にするためのヒマワリ畑が地平線まで拡がっているとか。


 神話に纏わる話もありました。古代から太陽信仰が強かった南米ペルーでは、神殿の巫女が頭上に

被っていたヒマワリを模った神聖な黄金冠をスペインに強奪されて以降、ヒマワリのことを、“いつわりの富”

とか、“にせ金貨”などと呼んで逆恨みする時代が長く続いたとか。 ギリシャ神話には、太陽神アポロンを

恋して眺め続けた少女がヒマワリになった話があります。


 ヒマワリは、コロンブスが新大陸から持ち帰った花だそうですが、何処の国でも、“ 太陽に向く花” の

イメージで受け入れられたようですね。ところが、ヒマワリの向日性は、花弁が小さくて軽い咲き始め時

だけで、花が大きくなって重くなると、一定方向を向いて動かなくなるのだそうです。



耕うん機トレーラーでひまわり畑を巡る人々 象さんの背に揺られて


 象さんの背に揺られてノンビリ・ムードでヒマワリ畑を楽しむ外国人の観光客がいます。

トラクターに引かれた台車に乗ってヒマワリ畑を回るタイの人々も楽しそうです。ヒマワリ畑の中に

身体を沈めて嬉々として遊ぶ初々しい若い男女もいます。人それぞれですが、誰もがひまわりの

海を満喫していました。


 世界の国々で言われている花言葉を見ると、憧れ・貴方だけを見つめる・、熱愛・愛慕・崇拝・

光輝などの目映くなるような言葉が連なっていますが、南米ペルーのヒマワリの黄金冠の強奪

事件から生まれた“ いつわり ” という悪しき言葉もありました。 


 『大和本草』で ヒマワリを紹介した江戸時代の貝原益軒さんも、あまり良い印象を抱いていなか

ったようです。    『 日マハリの花よからず、最下品なり 』

ヒマワリの大柄な姿が奇妙奇天烈に見えたのか、それとも、ヒマワリに嫌な思い出でもあったの

でしょうか?



タイのひまわりは、重花弁ではなく一重の花弁 種子用のひまわりの花一個が10バーツ ( 約30円 )


 拙ブログの中で、タイのヒマワリについて触れたとき、読者の方から、『ひまわり畑の目的は?』と

訊ねられたことがありました。観光畑として収入を得る目的もありますが、種子を搾油用や食用等

に加工しているようです。 訪れたロッブリー県やサラブリー県では、食品工業の一翼を担う重要な

産業だと聞きました。パッタナー・ニコム郡のヒマワリ畑は、種子を付けたヒマワリを1個10バーツ

(30円)で販売していました。 




この主題にの関するホームページ内の別の記事

専用列車で行くヒマワリ畑  (クリックすると移ります)



 学名  Helianthus  Annuus
 科名  キク科  Asteraceae
 属名  ヒマワリ属  Helianthus
 語源  ギリシャ語の Helios (太陽)とAnthos (花) の合成語で 『 太陽の花 』
 和名  ひまわり、ヒマワリ 、 日輪草 、 日車(ヒグルマ) 、 天竺葵(テンジクアオイ)
 漢名   向日葵
 英名  Sun Flower
 タイ名  Dook Thaan Tawan  ( 意味合い:太陽を食べる花 )
 性状  一年草、  花径は20〜25cm、高さ3mくらいまで生長
 原産地  北アメリカ
 花言葉  憧れ、貴方だけを見つめる、熱愛、愛慕、崇拝、光輝、いつわりの富、にせ金貨
 花季  日本は6月〜8月、 タイでは寒季(乾季)の11月〜1月
 用途  種子は搾油用、食用。花は観賞用、切花等





 読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返し


■良い所へ行かれましたね(^〜^)
う〜ん、すごい!どこまで続いているのでしょう。いいですね。私もこんな未体験なことしていみたい! この向日葵は食用ですよね?
w.hitoshi 2006-11-27 23:26:15


■w.hitoshiさん
種を御つまみにしたり、食用油に加工したりして生計を立てているようです。Blogでは書きませんでしたが、伐採した沢山の種をつけた向日葵の花を一本10バーツで販売していました。この種を蒔くと新たな向日葵が沢山咲くのでしょうね。
hiro-1 2006-11-28 01:26:37

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