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朝方に香るデスモスの花  

=Tropical Leaf Flower=



HP編集略号:tropicalleaf1.htm

和名: −

英語名:Tropical Leaf Flower タイ名:ワーン・トラニー・サーン
改編:2017年5月18日 初稿:2012年4月7日 撮影:バンコク


  本日の花は、バンコク郊外の公園で撮影したものですが、既に公園内デヴューを果た

した花木ではなく、公園の片隅にある育成場で公園への移植を待ち侘びている高さ50cm

にも満たない常緑低木です。
 


  チョット見には、いたるところにある弱々しい雑草の類に見えるのですが、足を止めてじ

っくりと眺めれば、それぞれの花柄の先っぽに、直径1cm程度の赤系の雄蕊を取り囲む

白色の花弁が鈴なりに咲いています。 そして、3mmにも満たない可憐な蕾が、自分の

存在を精一杯主張しているようで、あまりの可愛さに思わず微笑んでしまいます。


  最初は背高の雑草の類にしか見えなかった花木


  公園デビューを果たすと、プラスチック板に学名、科名、タイ語の俗称名を記した名札

がぶら下げられるのですが、公園に移植される前の育成場の花木は、画用紙の切れ端に

ボールペンで走り書きした名札が巻きつけられているだけです。 

  しかも、その殆どは風雨で飛ばされて無くなるか、どうにか残っていても、風雨で字が

滲んでしまって判読できないものが少なくありません。





  この花木の名札も既に失せていたのですが、直下の地面に半分埋まった状態の紙切れ

を発見。 掘り出して見るとタイ語で
ワーン・トラニー・サーン』 と書いてあるのが読み取れ

ます。 本当に此の花木の名札かどうかは分かりませんが、自宅に戻ってチェックする時の

有力情報の一つにはなります。 




  実は、先月の中頃、バンコクの本屋で ワーン  と云う題名の花の写真集を手に取っ

た時、掲載されている花木の全てが未知の花ばかりだったので衝動買いをしたのですが、

その内にゆっくりと読もうと思っていたのですが、結局その儘になっていたことを思い出しま

した。 ひょっとすると、その写真集の中に、此の花が含まれている可能性が無きにしもあ

らずです。


衝動買いした 『 ワーン 』 の写真集


  接頭語に 『 ワーン 』 が付加されたタイの花木名は、泰方薬の小型植物群・34512

1700
種もあるようですが、果たして全112頁の写真集の中に、此の花木が掲載されているの

かどうか? 胸が高鳴ります!



   ワーン 』の接頭語が付いた泰方薬に用いる植物は、その葉や茎などから溶媒抽出さ

れる物質が
皮膚老化抑制剤としての有効性が高いことから、化粧品、医薬品、医薬部外品

として配合利用されることがあるようです。




  大昔のタイでは、『 ワーン の名前が付いた植物は、不死身、不老長寿、金持ちにな

る、消身の術が使えるようになる、水難、火難、剣難から逃れられる等の効用があると言う

迷信があったようですが、皮膚の老化抑制の効能の観点から見れば、それほど荒唐無稽

な迷信でもなかったのかも・・・ですね。




  大昔の大迷信の話はさて置き、自宅に戻ってから タイ語の花木写真集 『 ワーン』 を

開き、
ワーン・トラニー・サーン 』 の正体を確認する楽しい作業が始まりました。




  写真集 『 ワーン 』 の目次を開くと、花名の頭が ワーン 』 で始まるタイ語の花名が

111項目並んでいます。 はやる気持ちを抑えて花名の目次を読み進むと、42番目の

項目に『
ワーン・トラニー・サーン 』 を発見!!  該当頁を捲ると、公園の育成場で見た

と全く同じ花貌の写真が目に飛び込んで来ました!! 


直径1cmにも満たない花弁と3mm程度の小さい蕾


  公園の名札は、親切で気の付く人が、落ちていた名札を拾って、勝手に取り付けてしま

うこともあったりして、必ずしも正しいとは限らないのですが、今回は正解でした。



  次に、植物分類学上の区分名のチェックです。 分類学上の区分名は団体の系統に

よって異なることも多いので、可能な限り複数資料でチェックすることにしています。


若い葉でしょうか? 江戸時代の小判のように見えました。


  ところが、和名がさっぱり分かりません。 学名の『フィラントゥス・プルケール 』 を、

そのまま日本名としている資料も幾つかありましたが、これは、ラテン語と思われる学名を

部分的に片仮名表示したに過ぎません。

  『
トロピカル・リーフ・フラワー』 とする記述もありましたが、これもまた英語名の片仮名

読みなので、純粋な和名とは言い難いですね。



         ニセアカシアの葉っぱに似た感じがする互生葉 


  タイ日大辞典を見ると『 オオミカンソウ 』 の記述があったので喜んで調べたのですが、

その裏は取れませんでした。 ネット検索では 『 ハナハノキ 』 (花葉の木) の名前もあり

ましたが、これも花木の通販会社の商品名のような気がします。

  
どうも、最近は日本名(和名)探しが上手く行かないケースが多いような気がします。

寄る年波で僕の根気が落ちてしまったのか? それとも、現在の日本の花木界が外来語

の転用を好むようになったのでしょうか? 



 科名  トウダイクサ科
 Phyllanthus Pulcher Wall.ex Mul.Arg.
 属名  Phyllanthus Phyllanthaceae (Euphobiaceae)
 学名  Phyllanthus Pulcher Wall.ex Mul.Arg. 
 英名  Tropical Leaf Flower
 別名  Phyllanthus pulcher
 タイ名  ワーン・トラニー・サーン




読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■花をめでるのは楽しいです
我が家の近く、といっても10キロ以上ありますが市立図書館があります。 反対側にも同じ距離で隣の町の図書館もあります。 今度、花を見つけたら図書館にいってみます。 花の名前を見つけた時の嬉しさを実感してみたいですね。やることが一杯で・・・。
ワイワイ 2012-04-07 22:52:20


■ワイワイさん
タイと日本の歴史で不明なことはメモをして置いて、一時帰国の時に国会図書館で調べることにしています。10日間の帰国で8日間も通い詰めたこともありました。タイの花を調べる時は、バンコクのタイ語本屋で、花の写真集を立ち読みした後でネット検索することが多くなりました。
hiro-1 2012-04-08 00:02:52  


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