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HP編集略号yanagibaruira1htm

和名:柳葉ルイラ草

英語名:Ruellia caerulea  タイ名:−
改編:2017年5月24日  初稿:2012年7月7日 撮影:バンコク



  車両の定期点検とショック・アブソーバー4本の交換を兼ねてディーラの修理工場に

入れていた自家用車を引き取るために、高架鉄道のスラサック街へと出かけました。 

高架電車のスラサック駅を降りてビル街の小路を歩いていると、洒落た高層ビルに面した

排水溝の近くに、およそ近代的な高層建物にそぐわないような、常緑小低木の茂みがあり

ます。


ビル街の道路の排水溝近くに茂っていた紫色の花群


  高層ビル前の大理石の石組みに腰を下ろしてアイスクリームを食べていたOLと休憩し

ていた小母さんに訊ねて見ました。

      僕   『 此の花のタイ語名をご存知ですか? 』

      OL  『 知らないわ・・・自然に生えた雑草の類ではないかしら 』

      婦人 『 紫の花が可愛いね。でも花名は知らないわね 』



圧倒的に紫花が多い中にピンク色の花も数輪混じっていました。


  花群の中を見ると、圧倒的に紫花が多い中にピンク色の花も混じっています。白花も

散見しましたが、おそらく桃色に染まる前の幼花ではないでしょうか?

  葉の姿形は笹の葉に似た披針形で細くて(0.7cm)長く(6cm〜15cm)、葉の表面には

青紫色に似た葉脈が浮き出ています。そして、向かい合って生えた対生葉の縁は小さな

鋸歯状になっています。




  5裂の花冠の縁は微細な凸凹状です。 花弁の表面は、まるでアイロンをしていない

木綿の着衣のように皺だらけ、言い方を変えてオベンチャラを言えば、高価な着物の縮緬

模様と言ったところでしょうか。


  花冠を指先で少し開いて中を覗くと、奥の奥に隠れるかのように雌しべ1本、長さの違う

雄しべが4本ありましたが、撮影のために指先を離してしまうと、残念ながら、花冠の奥が

細くなって見えなくなってしまいました。




  草丈は大体60-100cm程度。 葉腋から出た花茎の先に紫色や桃色の花(径5cm)を

咲かせています。 花茎の先の花が落ちると、直ぐその下から新たな花茎が生え出て、

次々と花を咲かせる集散花序だと思います。 熱帯気候のバンコクですから、きっと一年を

通して、次々と咲き続けているに違いありません。




  花名捜しのヒントも得られなかったので、自宅に戻ってからも調べようもなく、いつもの

如くPCの 『 不明の青色花 』 のファイル内に保留したつもりだったのですが、何を間違っ

たのか『未整理の青紫色花』 のファイルに放り込んでしまいました。

  
  慌てて未整理ファイル内を捜したところ、学名=Ruellia-barbillana の中に紛れ込んでい

るのを発見して事なきを得たのですが・・・よくよく見れば、未整理のまま放置してままに

なっていたRuellia-barbillana の花と今回の花の特性が、葉の形を除けば、実に似通ってい

ることに気付きました。 


  僕の乱雑な筆跡で書かれたRuellia-barbillana の撮影メモを捲ると、キツネノマゴ科、

ルイラソウ属とあります。この科名と属名をヒントにして検索を開始すると、今回、ビル街で

見かけたと同じ花冠と披針形の葉をともなった写真が現われ出でました。





  ところが、タイ語のネット検が索を検索しているにも拘らず、アルファベットで記述された

学名、科名、属名が現われるばかりで、どうしたことか、タイ語名を見つけ出すことが出来

ません。




  『 柳葉ルイラ草 』 の花の命は、僅か1日と短く、夕方近くなると雌しべをだけを残して

花冠の部分がそっくりそのまま落ちてしまうようです。 花が終わると直ぐにその下方か

ら新たな花茎が出てきて次々と花を咲かせるようです。 花の周期が終わると、棒状の莢

が出て来て、その中には、24個程度の茶色の種子(径2mm)が付くようです。





  棒状の果実が熟すと莢の外側に縦線状の割れ目が浮き出し、完熟時期が到来すると

パチンと音をたてて縦方向に真っ二つに割れ、小さな平たい種子が2m周囲に弾き飛ばさ

れるそうです。 


  果実を弾き飛ばす此の生態を実際に見ることが出来れば、ヤナギバ・ルイラソウ

(柳葉ルイラ草)が 『 キツネノマゴ 』 に編入されている理由が理解できるのでしょうが、

残念ながら、僕は未だ一度も見たことがありません。

 
  詳しい方が書かれた記事を読むと、弾けて四散したヤナギバ・ルイラソウの種子は、

水分を吸収するとゼリー状に変化して次の世代を生み出すとありました。機会があれば、

花が落ちた後のヤナギバ・ルイラソウの生態を自分の目で見てみたいものです。


 学 名  Ruellia brittoniana Leonard
 科 名  Acanthaceae キツネノマゴ科
 属 名  Ruellia ルイラソウ属
 由来:フランスの植物学者 Ruelle の名前
 種小名  brittoniana 
 由来:アメリカの植物学者 N. L. Britton の名前
 タイ名  −
 英名  Ruellia caerulea、Common ruellia
 日本名  柳葉ルイラ草
 由来:細くて長い葉が柳の葉に似ているから
 特性  半耐寒性常緑小低木(草丈60-100cm) 、披針形の葉
 原産地  メキシコ
 分布地  熱帯地域に250種が分布、(日本では九州、沖縄) 
 花言葉  勇気と力、愛らしさ、正直、魅惑




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