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紫陽花はアジサイに非ず



HP編集略号tianyot1.htm

和名:針茉莉 (ハリマツリ)

英語名: Golden dewdrop タイ語名:テイアン・ヨット
改編:2014年7月30日 初稿:2009年4月27日 撮影:サムットプラカーン県プラプラデーン郡


 プラプラデーン郡の “ バーン・ナム・プン ” (意味:水辺の蜂蜜村))の公民館らしき建物

の近くで見かけた花の中に、何かの冊子で見た覚えはあるのですが、どうしても名前の

分からない紫色の花(下写真)がありました。


タイに魅せられてロングステイ
プラプラデーン郡の水辺の蜂蜜村に咲いていた紫色の花


その場に居合わせた村人に花の名前を尋ねたところ、三つの名前が次から次と飛び出して来ました。


中年男性    『テイアン・カイですよ』 (意味:油脂の蝋燭)

中年女性  『プアン・ムウァンと思いますよ』 (意味:ブドウの房)

若い女性  『フォーン・サムットとも言いますよ』    (意味:海のあぶく)



 植物名を知っているタイ人は、それほど多くないのですが、三人三様の答にはチョッと吃驚でした。

見るからに花が好きそうな中年女性の話によると、三つの呼称は、地域ごとの呼称なのだそうです。


 英語名が分かれば、速やかに植物分類名を調べることも可能ですが、タイの地方呼称だけとなると、

僕のBLOGの記事に採りあげるのは、遠い先になりそうだなと思って殆ど諦め掛けていましたが・・・・


 この花の事をすっかり忘れかけていた或る日、書斎の卓上カレンダーの写真を何気なく捲っていた時、

プラプラデーン郡の “ 水辺の蜂蜜村 ” で見かけたと同じ花の写真が目に飛び込んで来たのです。

カレンダーに印字された極小文字を拡大鏡で覘くと、タイ語と英語で次のように記されていました。



 タイ語名    テイアン・ヨット  意味:蝋燭の滴
 英語名  Golden dewdrop     意味:黄金の露の滴   
 その他  Duranta  -


 タイ語名の “ ろうそくの滴 ” と英語名 “ 黄金の露の滴 ” の意味合いは、水辺の蜂蜜村で教わったタイ名の

『蝋燭の滴』と『海のあぶく』に通じるものがあります。


タイに魅せられてロングステイ
水辺の蜂蜜村の濃紫色の “ テイアン・ヨット ”( ろうそくの滴 ) の花 


タイ語と英語名でネット検索をすると、堰を切ったように情報が飛び出して来ました。


 科名  クマツヅラ科  -
 属名  デュランタ    ハリマツリ
 学名  Dulranta erecta L.   -
 タイ名  ティアン・ヨット   蝋燭の滴
 英語名  Golden dew drop   黄金の露の滴
 台湾名  台湾連翹  タイワン・レンギョウ  
 日本名  針茉莉  ハリマツリ
 通称名  デュランタ    Duranta
 原産地  米フロリダ、ブラジル、西インド諸島  -
 花 径 : 1〜1.5cm 果実径:0.7cm 果実色:黄  -


 僕が見た “ ティアン・ヨット ” の花弁の色は、濃紫色と薄紫色の2色だけですが、ネットによると、

白花の 『アルバ Alba 』  、薄紫色の 『 Duranta repens 』があり、斑入りの葉やバリエガタ や薄黄緑色

の Lime などの品種もあるとあります。 


 日本語名としては、紫花の針茉莉 ( ハリマツリ ) 、濃青紫色の『宝塚』 があります。宝塚の歌詞と

言えば、紫色の “ ♪スミレの花 咲く頃 ♪ ” が有名ですが、濃青紫色の『宝塚』 とスミレは、植物分類

上は全く関係が無いようですね。


 -  スミレ  Duranta 
 科名    スミレ科     クマツヅラ科   
 属名  スミレ属   デュランタ属


タイに魅せられてロングステイ
タイ語の地方名 『ぶどうの房 』 (プアン・ムウアン) も此の花の特徴をよく表しています。


 花が終わると、濃黄色の小粒で艶のある枇杷 に似た果実が繁茂するそうです。今まで何度も

見たことがある筈なのに、注意力散漫で、全く記憶にありません。まさに、『 観察力薄ければ、

目前の事物さえも見えね 』 ということですね。



 此の花は、7月18日の誕生花だそうです。365日それぞれの誕生花があるなんて・・・これまた

全く知りませんでした。花言葉は、『小さな心遣いを心地よく感じる人』、『あなたを見守る』、

『目をひく容姿』 だそうです。


 此の花のローカル名を『ぶどうの房』 ( プアン・ムウアン ) と呼んだ中年女性が言いました。


   『 この花は、病気も害虫も少なくて、面倒見も簡単で、一年を通して花を咲かせるのよ 』  


すると、傍にいた中年男性が笑いながら僕に言いました。


 彼    『紫色は彼女が大事にしている色なのだよ 』

 僕  『彼女の生まれた曜日は、ひょっとして土曜日ですか? 』

  
 彼  『外国人なのに、土曜日の色が紫色だと云うことを知っているの? 』 

 
 僕  『僕も土曜日生まれですから 』

 彼  『彼女は未亡人だから、紫色が大好きなのだよ 』 

 僕  『・・???・・・』

 彼  『タイでは、未亡人の好む色は、紫色と決まっているのだよ 』



 中年男性の話によると、彼女は 此の近くで園芸店を営む娘の母親で未亡人なのだそうです。紫色が

土曜日の色であることは知っていましたが、 “ 未亡人が好む色 ” とは知りませんでした。





読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■無題
「空に輝くお月様」といい、「蝋燭の滴」といい、素晴らしい訳ですね〜!タイの人の花に対する親しみがいかほどか、伝わってきます。^w^
シャンティcoco 2009-04-27 12:26:34  


■ャンティcocoさん
日本語訳はさて置いて、タイ語名のセンスの良さを感じますね
 hiro-1 2009-04-28 03:03:20


■hiro-1様
2回目のコメントです。こんにちは、猫好きのchocoです。前回は書き込みませんでしたが実はバンコク在住です。プラプラデーン 我が家から見えるのですが勝手に湿地帯だと思い込んでいました。こんな綺麗なお花が咲いてるんですね。choco 2009-04-27 17:01:55  


■chocoさん
高層ビルの上から見える緑で蓋われたような地帯に興味を抱いて訪れたのですが、バンコクの鼻先に、こんな田舎が残っているのに吃驚してしまいました。
hiro-1 2009-04-28 03:12:09 


■夢があります。
中年男性(油脂ろうそく)と若い女性(海のあぶく)この発言者との符合にちょっとうけてしまいました。魅力的な名前ばかりですね。
今日の新宿御苑 2009-04-27 19:34:47  


■今日の新宿御苑さん
日本の名前付けよりは、タイの方が視覚的で、名前を憶えやすいような気がします。
hiro-1 2009-04-28 03:21:31 

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