チェンマイ国際園芸博覧会の女性係員に薦められたブア・トーン高原に向かいました。ラムパーン県の中心地から11号線
を東南に進み、Baan paa laat を左折すると石炭の露天掘りでは東南アジアで最大規模の
Mee mo に向かう道に入ります。
この道を北東に登り、Thung bua toon (下写真)の道標を過ぎた所で左折。更に坂道をまっしぐらに登りきった山の頂きが
ブア・トーン高原でした。
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左方向:ブア・トーン高原。 直進:View point |
ブア・トーン高原は、ラムパーンの東 26km 、海抜 500m の地に広がる80万m2(500ライ)の原野です。日本であれば平凡
な丘と言ったところなのでしょうが、タイでは高原の雰囲気をもった場所ということになります。
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ブア・ト−ン高原から見える山並 |
植樹された木を除けば、背の低い『 山ひまわり 』が群生しているだけの高原ですが、眼下を見晴るかすと、水の溜まった
石炭の露天堀跡が彼方此方に点在しています。 |
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ブア・ト−ン高原から見える黄土色の窪地が露天掘りの跡 |
チェンマイの女性は『11月が最盛期だけど・・・』 と言っていましたが、ブアトーンの花は、 既に80% 以上は咲き終わり、
既に種子をつけていました。 |
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最盛期を過ぎて種子をつけ始めていたブア・トーン |
タイの人々は、この花を 『 ブア・トーン 』 と呼んでいましたが、故冨田教授のタイ日辞書を引いても、日本語名を見つける
ことができません。やむを得ないので、便宜上、山ひまわりと名づけることにしました。
(後日の調べで英名=メキシコ向日葵と判明)
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山向日葵というよりは、コスモスに似ているかも・・・ |
高原の展望台を兼ねた休憩所(サーラー)に腰を下ろしていると、タイ人の初老の女性に声を掛けられました。 |
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ブアトーン高原の展望台 |
女性 |
『 私の胸のロケットに何が彫ってあると思いますか? 』
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僕 |
『 ??? 』
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女性 |
『 ブア・トーンの花よ! 見て頂戴! 』
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ブアトーンの黄色い花が刻まれたたロケットが、女性の胸元で揺れていました。
僕 |
『 ご主人からの贈り物ですか? 』
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女性 |
『 息子の恋人(フェーン)からの贈り物なの 』
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僕 |
『 それは良かったですね 』
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女性 |
『 息子の婚約者だったのですが・・・もう亡くなりました 』
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チェンマイ大学医学部で学んでいた彼女は、二ケ月前に肝臓癌で亡くなったのだそうです。
ブア・トーンの花のロケットを握り締めて、息子の婚約者を懐古する母親の悲しいお話しでした。
別れ際に、タイ語でさよならの挨拶を送ると、.『 息子の恋人の話を聞いて貰って嬉しかったわ、
さ・よ・な・ら 』の挨拶が返ってきました。 最後の言葉は、彼女が唯一知っているという、たどた
どしい日本語でした。 |
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