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HP編集略号busu1.htm

和名:トリカブト


英名:Monkshood


タイ名:マンサフーツ

改編:2017年6月14日  初稿:2010年7月20日 撮影:(ウイキペディアより拝借)


  バンコクでロング・ステイしている定年退職者の友人が、遅まきながら、タイ語学校で中級

レベルの個人授業を受けています。 タイ語の授業が終わってから一献傾ける約束をして

いたので、タイ語学校内のコーヒー・ショップで待っていたのですが、約束の時間を20分以上

過ぎても、いっこうに姿を現しません。少し苛々していると携帯が鳴りました。


     彼 『 授業が終わって雑談をしているので、教室まで来てよ 』

     僕 『 いいよ、喫茶室で待っているから 』
  
     彼 『 タイ語の女教師も、OKと言っているから教室に来てよ 』


  気乗りしないまま、教室に入って挨拶をすると、女教師が言います。


     先生 『 折角の機会だから 3人で雑談をしましょうよ 』

     僕   『 授業を邪魔をするつもりはありませんので・・・・ 』

     先生 『 邪魔どころか、大歓迎ですよ! 』


  なんて事を言いながら、先生が振ってきた雑談は、想定外の質問から始まりました。


     『 日本語の “ 不美人 ” は、どうして “ ブス ” と言うのですか? 』

     『 “ ブス ” という言葉は、標準語ですか? 方言ですか? 』

     『 “ ブス ” の漢字を教えて下さい 』


  日本語の口語では、美人の形容詞として “ 綺麗 ” と言いますが、タイ語の“Khirei”は

不美人を意味する単語です。 (不美人=プーイン・ティー・キーレー)  初級タイ語を勉強

した日本人や日本語を勉強したタイ人ならば、誰もが冗談口の話題にする単語といえます。


  ところが、すでに日本語3級の実力を持つ女教師は、そんな初歩的な冗談口の話題を、

『 彼のタイ語上達の為の訓練 』になるからと言う理由で仕掛けて来たのですが、字際には、

彼女自信の知識向上の為のような気がしないでもありません。 それはさて置き、先ずは、

彼女が最も興味を抱いているらしい
『 何故に不美人のことを“ブス”と言うのか?』を説明する

ことにしました。
 

     僕 『鳥兜 (トリカブト)という日本語の植物名を知っていますか?』

        『乾燥した根塊が漢方薬や毒薬にもなる植物ですが・・・』


  女教師は、かなり部厚い日英辞書と英タイ辞書を捲りながらブツブツと呟きます。


     『日本語の“トリカブト”の英語名は “Monkshood”なのね』

     『タイ名はマンサフーツだけど、見たことも、聞いたこともないわ』


  タイでも人気があるTV漫画の『一休さん』に、舐めると死ぬ “附子”(ブス)が入っている

砂糖壺の話があるのを憶えていますか? とヒントを与えても、彼女曰く、一休さんはよく知っ

ているが、命を脅かすような“附子”(ブス)の話は記憶に無いと言います。


日本名=トリカブト、英名=Monkshood タイ名=マンサフーツ  (Photoウィキペディア)


  トリカブトの乾燥した塊根は、生薬名としては、附子( ブシ ) と読むらしいのですが、

世間に流布している毒薬名としては、いつしか訛ってしまい、“ブス” の名前で呼ばれるよう

になったらしいです。 


  その昔は、野獣狩りの時に弓矢が命中すれば、20秒以内で死に到るほど強い猛毒性

の附子( ブシ )を塗した毒矢を使用したそうです。 人間の場合には、ブスをほんの少し盛

っただけで、顔面に神経障害が起こって酷い後遺症を起こしたり、場合によっては、死に到

ることもあるそうです。


  そう言えば、東海道四谷怪談のお岩さんも、附子(ブス)を飲まされて顔面が醜くただれ

てしまいましたね。 そんなことから、美しくない人のことを、『 附 子 』 ( ブス ) と呼ぶように

なったという話を耳にしたことがあるような気がするのですが・・・・正しいかどうか自信はあ

りませんが、『ブス』という言葉は、
女性専科の言葉として定着してしまったようですね。


 
 という訳で、第二の質問にあった『 ブスは、どんな漢字を書くの? 』の答えは、“附子”

(正しい読みはブシ)となる訳ですが、 現在の日本人は、漢字の“附子”ではなく、まるで

外来語のように、カタカナで“ブ ス” と書きますね。


トリカブトの葉  (Photo ウィキペディア) 


  タイ語女教師が妙に拘っていた 『ブスという言葉は、標準語?それとも方言? 』ですが、

“ブス” の語源がトリカブトの塊根の名前から来ているとするならば、その答えは、標準語でも

方言でもなく、漢方薬の生薬名と言うことになりますね。

  
      標準語=パーサー・マータターン、 方言=パーサー・トーン・ティン


  その日の夜、三人で囲んだ居酒屋の席は、日本語の “ブス”、“醜女”、“ 不美人”、『美人』

とか、タイ語の“プーイン・ティー・キーレー ”(不美人)、“プーイン・ティー・スアイ”(美人)が飛び

交う、日タイ交流の賑やかな酒席と相成りました。


  ほろ酔い加減の女教師曰く、


     『今日のタイ語の授業は 、中級を遥かに越えた授業になりました 』

     『 教科書から離れて、自由会話をすることは、とても有意義ですね 』


  ところで、先生! 人前で無闇矢鱈に、ブス!、ブス! と連呼するのは止めて下さいね。 

教養のある美しい貴女が、ブスなんて下品な言葉を連発すると、貴方の心がブスになってしま

いますからね。



鳥兜(トリカブト)の植物学上の分類名
 学名  Aconitum
 科名  キンポウゲ科  Ranunculaceae
 属名   トリカブト属  Aconitum L., 1753
 種名   −
 タイ名  マンサフーツ
 英名  Mmonkshood
 日本名  トリカブト ( 鳥兜 )
 漢名   −
 性状   −
 原産地   − 
 花言葉   − 




 

読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■無題
ブスの説明に、トリカブトがトッサに出てくるなんて、立派です!(私は、こういう話は初めて聞きました)時々、日本語講座に呼ばれて、タイ人に詳しい生の日本語を教えることになれば、楽しさが広がりそうですね。
とおる 2010-07-21 09:30:11



■「ブスと不美人」とは、難しい質問で冷や汗でも出たのではないかと思い、楽しませていただきました。「カワイイ」は、タイでも一部で使われていると思いますが、これも難しそうです。アニメファンの「萌え〜」も、日本人でさえ、よく分かりません。「バカ」と「アホ」も、説明に苦労しそうです。
今後の展開を楽しみにしています。
とおる 2010-07-20 20:12:40


■とおるさん
僕には、講師役よりも、生徒として教えて貰う方が向いているようです。
hiro-1 2010-07-21 23:40:43





■とおるさん
日本語教師の勉強をしたことのない僕には、どのように説明すれば良いのか、困ってしまうことが多いのですが・・・それでも、言葉って面白いですね。
hiro-1 2010-07-21 02:16:12


■初めて知りました!^^
キレーが、タイ語で綺麗でないのは知っていましたが(笑)・・・ご本尊の日本語のブス。。。全く知りませんでした。いきなり トリカブト が出て来たので・・面食らいましたが、これが張本人(笑)だったんですね〜! hiro-1さんのブログで多くのタイ・タイ語関連の事柄を学習させて頂いてますが、
日本語も教えて頂けるとは〜♪^^ それにしても、このタイ語女性教師、好奇心旺盛で・・さすが〜ですね♪
thaiotodo 2010-07-21 09:44:32



 


■thaiotodoさん
頑張り屋の彼女は、日本語の2級を目指すと言っていました。若いって、見ていても気持ちがいいですね。hi
ro-1
2010-07-21 23:47:37

■いつからかでしょうか
小学校か中学校で狂言の「ぶす」の話を習ったと記憶していますが、其の頃は不美人のことをブスとは呼ばなかったように思います。ブスの歴史は長いけど、ブスという言葉の歴史は浅いように思いますが、いかがでょうか。それと、クダラナイ放送禁止用語にも当然入っているのでしょうね。
ms 2010-07-24 10:16:25


■msさん
僕の子時代は、美人のことを、ドイツ語を日本語化した『シャン』と呼んでいましたが・・・その反対語のブスが使用され始めたのも、ひょっとして、その頃なのでしょうか?
hiro-1 2010-07-28 13:23:59


■ぶす
…といえば学生のころ習った狂言の「ぶす(附子)」が思い出されますが…hiro-1さんの説明が楽しみです〜♪
kii 2010-07-20 21:06:31


■kiiさん
さすが kiiさん、先を読まれてしまいました。
hiro-1 2010-07-21 02:18:07

■無題
私とクラスが同じで3級を持ってる方がいます。発音も結構上手いのですが、実際にそこまで会話をしたことがないのでわかりませんが・・・ところで、タイ人が日本人に向かって”セマゴ”(キックするという意味?)という冗談がありますが、最近では初対面で会ったタイ人ではあまり言われないような気がします。聞くと、どうやら”セマゴテ”は日本人には通じないと知っているようでした。ちなみに、その意味を知らない人がほとんどです。何故セマゴテ”という言葉がどういう経由で知られ、「日本人に対しての冗談」となったんでしょうか・・・。すみません、私事で・・・・。次の記事を楽しみにしています。
ハーフ&ハーフ 2010-07-21 01:33:51


■ハーフ&ハーフさん
『 セマゴテ 』 は、タイ語のセーク・マー・ゴー・テ ( 迫って来ると蹴るぞ!)だろうと思うのですが、日本語の 『 迫る 』 との語呂合わせなのでしょうかね? あまり自信がありません。
hiro-1 2010-07-21 02:39:39



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