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可哀想な名前のニンニクカズラ  



HP編集略号:hakarame1.htm

和名:セイロンベンケイソウ

英語名:− タイ名:クアムターイガーイペン
改編:2009年8月21日 初稿:2009年8月21日 撮影:バンコク


 観葉植物のカラジューム(ニシキイモ)を植栽していた鉢の中に、バンコクの上空を吹き

渡る強風に乗って着床したのでしょうか、セイロンベンケイソウ(俗称:ハカラメ)が急速に

蔓延り始めました。


 カラジュームが追い遣られる危険を感じた家内は、すぐさまセイロンベンケイソウを取り

除こうとしたのですが、セイロンベンケイソウ(俗称:ハカラメ)の面白い形に興味を抱いた

僕の我儘を強引に押し通して、ハカラメを其の侭にして置いて貰ったのですが・・・・


セイロンベンケイソウの生命力に駆逐されそうなカラジウム


 暫時観察を続けていると、家内が心配した如く、鉢の中で繁茂していたカラジウムが日を

追って枯れ始めたのです。 更に数ケ月後、セイロンベンケイソウ(俗称:ハカラメ)の茎高

が20cm程度に成長すると、カラジウムは僅かに1枚のしょぼくれた葉を残すだけとなり、

全滅は時間の問題となってしまいました。(上写真)




 セイロンベンケイソウ(俗称:ハカラメ)のような侵略的外来種 (原産地:南アフリカ) が

鉢の中に着床すると、先住の固有植物は生存を脅かされるらしい事は聞き知っていたの

ですが、その繁殖力と生命力がこんなにも凄まじいとは思いも寄りませんでした。 


 珊瑚礁、岩盤上、露地、テラスの鉢の中、そして水の溜まった浅い窪地であっても、容易

に着床して成長する強靭さがあることから、今では熱帯地域から亜熱帯の世界にまで生存

圏を広げているとか。 聞くところによると、小笠原諸島や沖縄でも見られるそうです。





 セイロンベンケイソウ(俗称:ハカラメ)の芽は、緑葉の周縁に沿って並ぶ窪み部分から

発芽するのですが、このように珍しい部位から発芽する芽を不定芽(フテイガ)と呼ぶのだ

そうです。 一枚の葉を手折って土の上に放置したり、壁面にピン止めしただけでも発芽す

るほど不定芽の繁殖力は凄いそうです。 強靭な繁殖力の秘密は、俗名のハカラメの語源

となっている 『 葉から芽が発芽 』 するという無性生殖の機能にあるようです。 


 地面上で茎を這わしてクローンを生み出すイチゴ、地下の塊茎や塊根からクローンが

芽生えるジャガイモやサツマイモなども、ハカラメと同じ無性生殖の機能を持つ仲間だと

聞きました。 池溝や溜水に住む繊毛虫類のゾウリムシ(草履虫)が自分の個体を分裂さ

せて増殖したり、微細な単細胞の酵母菌が繁殖するのも、ハカラメと同じ無性生殖だから

だそうです。





 卵子にあたる雌花(1個体)と精子に当る雄花(1個体)の2個体の結合によって新個体を

作り出す有性生殖に対して、無性生殖は1個体からクローンを次々と生み出すことが出来

る訳ですから、その繁殖力の凄さたるや、通常の有性生殖の植物を遥かに凌駕するもの

があるということなのでしょう。 


 このように奇天烈な植物が、逆さ風船に似た顎の中から反り返るようにして花を咲か

せると聞いていたので、是非ともその花を見てみたいと思ったのですが・・・・


逆さ灯籠のような花を咲かせるハカラメ


  カラジウム(ニシキイモ)が全滅しても、ハカラメの花は、全く咲きませんでした。
 

数ヶ月経過したある日、家内が恨めしげに言いました。



    妻 『 あのね、花が咲くのは発芽してから2〜3年後らしいわよ 』

    僕 『 エッツ、来週末頃には咲くと思っていたのに 』

    妻 『 それもね、条件が揃って無かったら、全く咲かないそうよ 』

    僕 『 それは残念だな・・・・・ 』

    妻 『 可哀想なカラジウムに謝って欲しいわ 』 


 実は、心の中では深く反省しているのですが・・・・この調子だと、これからも随分と厭味

を言われそうな雰囲気です。




 《セイロンベンケイ(セイロン弁慶)の植物上の分類
 科名   ベンケイソウ科  Crassulaceae 
 属名  リュウキュウベンケイ属 Kalanchoe ( Kalanchoe integra?) 
 学名  Kalanchoe pinnata (Lam.) Pers. (Bryophyllum pinnatum)
 種名  セイロンベンケイ Kpinnata
 英名  Life plant, Air plant
 和名  セイロンベンケイ(セイロン弁慶)
 別名  トウロウソウ(灯籠草)
 俗称  ハカラメ(葉から芽)
 タイ名  クアムターイガーイペン
 原産  南アフリカ





読者の方から頂戴したコメント


hiro-1からのお返しコメント


■生命力の強さですね
生命力の強い植物ですね。 我が家に裏庭にも毎年咲いてくる花ああります。 種類がわからず詳しい人に聞くと「サフラン」と教えてくれました。毎年畑を耕してこううんしているのですが、種が残っているのですね。 植物の生命力には感心してしまいます。でも、奥様は残念でしたね。 新規でプレゼントされてはいかが?
ワイワイ 2011-07-18 11:32:31


ワイワイさん
東京都下の誰も世話をしていない留守宅の庭ににサフランに似たイヌサフランが毎年咲いています。サフランと同じ仲間と思っていたのですが、家内によると、サフランはアヤメ科、イヌサフランはユリ科だそうですが、どちらも生命力の強い植物のようですね。
hiro-1 2011-07-19 01:40:23


■ハカラメの葉っぱを戴いたことがあります♪
簡単に増殖?するらしいのですが、相性が良くないらしく我が家には居つきませんでしたf^^; 頑張って花を咲かせてくださいね、カラジウムのためにもv^^
エリザベス4世 2011-07-18 22:44:52


エリザベス4世さん
花が咲くのに2年〜3年も待つのは大変ですが、忘れないように気長に待つことにしましょう。カラジウムはハカラメに負けてしまいましたが、同じように着床したトレニアの花にも負けてしまいました。外来種に弱いのでしょうか?
hiro-1 2011-07-19 01:51:06


■この葉!
昔、タイのバンコクの道端の鉢植えで見かけました! 不思議な植物だなwwと思って、スケッチしたまではいいけれど、何というのか、わからないまま放っておいたのです。が、今、ここで巡り会ってびっくり! ハカラメ・・・
日本語なんですね。まんまですね。笑 あ〜、すっきりしました。ありがとうございます。 (私は「芽」というより、緑色の「花」を付けているのかと思いました。本当の花も見たいものです。^^
シャンティcoco 2011-07-19 07:32:14



■シャンティcocoさん
日本名のハカラメ(俗称)は葉の特徴を捉えていますが、タイ語名にも花の特徴を捉えた名付けがされています。それぞれ国民性が出ていて面白いです。
hiro-1 2011-07-20 02:18:26



■初めて・・
何だか 可愛い蕾にも見えますが・・・逞しい 植物でも・・花は 2,3年? ほんと 根気よく 待たねばなりませんね。 最近この根気さが 失われつつある私めでございます。ぱっとさき 綺麗で 手入れ要らずで・・・そんな勝手な花 ありませんよねえ。ハカラメ・・これは覚えられると(葉から芽)
サザエ 2011-07-19 09:21:44


■サザエさん
2〜3年先の忘れた頃に咲く花と違って、何もしないで簡単に咲く花と言えば、イヌサフランやトレニアなどは如何ですか?
hiro-1 2011-07-20 02:26:04



■すごい生命力!
奥様の育てられていたカラジュームはかわいそうでしたね。 でも写真の
迫力にびっくりしてしまいました。 ハカラメの生命力怖いくらいです。 
うちは鉢の中で育てているシクラメンが毎年ウジャウジャ咲いてます。
…怖いです(笑)
さくら 2011-07-19 19:01:26


■さくらさん
日本でシクラメンウを毎冬ウジャウジャ咲かせるには、季節外の球根管理が大変なのでしょうね。
hiro-1 2011-07-20 02:32:51



■ハカラメ
散歩していて見かけましたよ。確か写真撮りました。タイ語名の意味は?「彼の顔は上下さかさまです」(google訳)
架空説探索者 2011-07-20 19:23:1



■架空説探索者さん
タイ語名を直訳すると、『うつ伏せになって死んだようになり、仰向けになって生きているようになる』となりますが・・・
hiro-1 2011-07-20 22:50:20



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