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可哀想な名前のニンニクカズラ  



HP編集略号:kinoboriuo2.htm

和名:木登り魚

英語名:Climbing Perch タイ名:プラーモー
改編:2017年3月16日 初稿:2011年6月28日 撮影:プッタモントン県


 バンコク西隣のプッタモントン公園で見かけた草木のタイ語名を『 プラー・モー』 と

自信なげに呟いた初老のタイ人の一言を頼りにして、該当する英語名と日本名を調べた

ところ、やっと辿り着いたのは、植物名ならぬ魚類名の『 Climbing Perch 』 !日本語名は、

『 木登り魚 』(キノボリウオ) でした。


ギザギザ葉の草木・ プラーモー


 知りたいのは、魚類名ではなく、『 植物名 』 なのですが、タイ語のネット情報にしつこく

アクセスしても、植物名らしき名前にヒットしません。これほど調べても分からないと言う事

は、初老のタイ人が呟いた 『 プラー・モー 』 の言葉が間違っているのか、それとも、僕が

聞き間違えてしまったのか?



草丈は概ね30cm程度から1m前後


 タイ語、日本語、英語の植物名探索は諦めて、タイ語のネット記事内に何度も登場する

タイ語のグアックの意味をタイ日辞典で再確認すると・・・・

グアックが歯茎(はぐき)を意味することは知っていたのですが、それでは 『 魚の歯茎 』

となって意味が分かりません。 タイ日辞典を捲ると、歯茎 、歯齦 (しぎん) に続いて、

グアック = 魚の鰓という意味が出てきました。これならば完璧に意味が通じます! 


 中学生時代、『一つの単語を憶える時は、必ず二つの意味と用法を同時に覚えよ!』

と教わった事を思い出しながら読み進むと、タイ語と日本語の植物名がそれぞれ記載して

あるではありませんか!!


  タイ語の植物名:グアック・プラー・モー、 日本語の植物名: 木登り魚の鰓(エラ)



 5日前後の花もちがする 『木登り魚の鰓』の白花


 意外だったのは、和名(別名)の『ハアザミ』 です。実際には、アザミの葉とは随分と違う

のですが・・・調べていて納得する記述に木偶合わしました。


 属名のアカンサス(注)の由来は、古代ギリシャ建築のコリント様式の柱頭部分に彫刻家

のカリマコスなどによって刻まれたアカンサス Acanthus のギザギザ葉のモチーフから来て

いる名付けのようです。 花言葉の美術、芸術、技巧も、彫刻家・カリマコスの芸術品に

対する賛美から生まれたとか。


  (注)ギリシャ語の 『 アケー(尖った葉) 』 と 『 アントス(花)」がラテン語となってアカンサスに変化



木登り魚の足代わりをする鰓蓋の中はこんなにギザギザなのでしょうか?


 アカンサスのギザギザ葉に纏わるギリシャ神話がありました。

 太陽の神アポロンは、美しい娘・アカンサスに求婚するも拒絶されてしまいます。

諦めきれずにしつこく付き纏うアポロン。逃げ惑うアカンサス。 愈々逃げ切れなくなった

アカンサスはアポロンを爪で引っ掻いてしまいます。可愛さ余って憎さが100倍となった

アポロンは、アカンサスを爪のように棘のあるギザギザ葉に変えてしまいました。


 東洋の極楽花は、蓮の花(ハス)が多いようですが、西洋の極楽花は、アカンサスの花

なのだそうです。 失礼ながら、単なるギザギザ葉の草木の類と思っていたのですが、

『木登り魚の鰓(エラ)』は、チャンとした由緒正しき血筋を持つ家柄の植物でありました。

見掛け倒しと言う言葉もありますが、見かけだけで植物を見縊ってはなりませんね。



《 木登り魚の植物上の分類 》
 科名  キツネノマゴ科   Acanthaceae 
 属名  ハアザミ属   Acanthus (キノボリウオ属)
 学名  Acanthus ebracteatus Vahl
 和名  キノボリウオのエラ   木登り魚の鰓(エラ)
 別名  ハアザミ (葉薊)
 英名  Climbing Perch
 Bractless Holly Mangrove、Holly-leaved mangrove
 タイ語  プラーモー
 原産地  −
 花言葉  芸術、技巧、巧みさ、離れない結び目
 効用  アレルギーや発疹抑制、慢性の風邪や喘息に効果





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 主題  初稿  改稿  HP編集略号
 @ 木登り魚の鰓(エラ)と呼ばれる草木   2011年6月27日  2017年3月15日  kinoboriuo1.htm
 A 木登り魚の鰓(エラ)と呼ばれる草木  当該頁  2011年6月28日  2017年3月16日  kinoboriuo2.htm




 
 読者の方からのコメント

 
 hiro-1からのお返しコメント


■神秘ですね
可哀そうな神話なんですね。 葉っぱ一つに神秘を感じます。 私も今度下田に行ったときはなんとか「キンギョツバキ」を見つけて神秘を探ってみたいと思います。 
ワイワイ 2011-06-30 15:33:46  

■ワイワイさん
キンギョ・ツバキにも何か昔話がありそうですね。楽しみにしています。
hiro-1 2011-07-02 02:49:01
 

■御礼かたご報告
 hiroichiさんに刺激され発奮して思い立ったホームページ作成ですが漸くにして御礼かた御報告できる状況ととなりました。思えば,hiroー1さんのブログに
刺激され発奮してから長年経ち,私もついに前期高齢者になりましたが,ここまでこれたのもhiroichiさんから戴いた溌剌としたパワーのお陰以外の何ものでもありません。心より御礼かたがた,公開の御報告をさせていただきます。有り難うございます。 何卒今後ともよろしくご指導のほど,心よりお願い申し上げます。

モンチ
2011-07-02 01:41:30
 

■モンチさん
素晴らしいHPですね。僕のよりも遥かに次元の高いHPですね 。 『 仏典の植物 』 はとても勉強になります。花木の掲載種数も多く、当方も頑張らねばと思います。こちらこそ、宜しくご指導のほど御願い申しあげます。
hiro-1 2011-07-02 03:09:40


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